昼から大学へ。3限の授業(ライフストーリーの社会学)ではひさしぶりに山田太一脚本のTVドラマ「シルバーシート」(の一部)を使った。何度観ても感心するのは、都電をジャックした老人たちの訴え(人間は過去にしてきたことで敬意を表されてはいけないのか)に対して、ガードマンの吉岡(鶴田浩二)が「それは違うんじゃありませんか」と毅然として切り返す場面だ。普通の脚本家であれば、老人たちの意表をついた訴えに吉岡が深く打たれる姿を描くであろう。視聴者もそれで満足するであろう。しかし、山田太一はそれでは満足しないのである。さらに踏み込もうとするのである。安易な「感動」や「泣ける」というレベルを越えて、山田太一のドラマの登場人物たちは語り続ける。それはまるでプラントンの対話篇のような哲学的探求である。
授業の後、急ぎの仕事を片付け、「ごんべえ」で昼食(忍者うどん)をとり、3時半から研究室で来年度開講のゼミを履修することに決まった学生(今日はKさん、Sさん、Iさん、Nさん、もう一人のKさんの5名)と面談。選考のための面接ではなく、ゼミの進め方を考えるための面談である。ライフストーリーインタビューをしてみたい相手、関心のあるポピュラーカルチャーの分野(映画、TVドラマ、小説、音楽など)について尋ねる。今期のTVドラマでは「流星の絆」の人気が高いようだ。「風のガーデン」を観ていますと答えたのは2名だけだった。私は心の中でその2名に◎を付けた。好きなシンガーについて尋ねたところ、2名がバンプ・オブ・チキンの名前をあげた。そんなに人気のあるバンドとは知らなかった。今度、ツタヤでアルバムを借りて聴いてみよう。残念ながら読書量はおしなべて貧弱で、授業のテキストや参考文献を読むだけで手一杯のようである。ゼミでは毎月サブテーマを決めて、毎週一冊、読んだ本のレポートをBBSに書き込んでもらおうか。本はただ読むだけではなかなか血肉にならない。その内容をその本を読んでいない人に興味深く語ることができてはじめてそうなるのである。今日面談した学生はみな表情が生き生きとしていた。これは今後もゼミがうまく機能しているかどうかの指標になるだろう。ゼミが抑圧的な装置にならないように気をつけよう。
夕方、二文のK君が卒論を提出に来た。もう一人、T君がなかなか現われないので、雑用を片付けながら待っていると、彼からメールが入って、提出を断念しましたと書いてあった。驚いたが、昨日の様子からもしかしたらという予感もあった。事務所が閉まるまでに2時間半を残していたので、とりあえず出すように話してみようかとも考えたが、T君の人柄を考えるとそれは余計なお世話になるだろうと思い直し、了解した旨のメールを返した。その後で、卒業要件の方が大丈夫だったかどうか気になり(二文は卒論は選択なので、単位数が足りていれば、卒論を書かなくても卒業できる)、確認のメールを入れたが、なかなか返事がないので、「秀永」で夕食(木茸肉定食)をとり、「シャノアール」で珈琲を飲みながら返事を待っていると、ようやく「大丈夫そうです」と返事があったので、安堵して地下鉄に乗った。
授業の後、急ぎの仕事を片付け、「ごんべえ」で昼食(忍者うどん)をとり、3時半から研究室で来年度開講のゼミを履修することに決まった学生(今日はKさん、Sさん、Iさん、Nさん、もう一人のKさんの5名)と面談。選考のための面接ではなく、ゼミの進め方を考えるための面談である。ライフストーリーインタビューをしてみたい相手、関心のあるポピュラーカルチャーの分野(映画、TVドラマ、小説、音楽など)について尋ねる。今期のTVドラマでは「流星の絆」の人気が高いようだ。「風のガーデン」を観ていますと答えたのは2名だけだった。私は心の中でその2名に◎を付けた。好きなシンガーについて尋ねたところ、2名がバンプ・オブ・チキンの名前をあげた。そんなに人気のあるバンドとは知らなかった。今度、ツタヤでアルバムを借りて聴いてみよう。残念ながら読書量はおしなべて貧弱で、授業のテキストや参考文献を読むだけで手一杯のようである。ゼミでは毎月サブテーマを決めて、毎週一冊、読んだ本のレポートをBBSに書き込んでもらおうか。本はただ読むだけではなかなか血肉にならない。その内容をその本を読んでいない人に興味深く語ることができてはじめてそうなるのである。今日面談した学生はみな表情が生き生きとしていた。これは今後もゼミがうまく機能しているかどうかの指標になるだろう。ゼミが抑圧的な装置にならないように気をつけよう。
夕方、二文のK君が卒論を提出に来た。もう一人、T君がなかなか現われないので、雑用を片付けながら待っていると、彼からメールが入って、提出を断念しましたと書いてあった。驚いたが、昨日の様子からもしかしたらという予感もあった。事務所が閉まるまでに2時間半を残していたので、とりあえず出すように話してみようかとも考えたが、T君の人柄を考えるとそれは余計なお世話になるだろうと思い直し、了解した旨のメールを返した。その後で、卒業要件の方が大丈夫だったかどうか気になり(二文は卒論は選択なので、単位数が足りていれば、卒論を書かなくても卒業できる)、確認のメールを入れたが、なかなか返事がないので、「秀永」で夕食(木茸肉定食)をとり、「シャノアール」で珈琲を飲みながら返事を待っていると、ようやく「大丈夫そうです」と返事があったので、安堵して地下鉄に乗った。