フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月17日(水) 雨

2008-12-18 10:14:42 | Weblog
  8時、起床。目玉焼き、トースト、紅茶の朝食。ベーコン・エッグにしなかったのは、今夜はコンパで焼肉を食べるからである。9時に家を出て、久しぶりで混んだ電車に乗る。座れないのはしかたないとして、本が開けないのが辛い。貨物列車の貨物のような気分だ。
  10時から本部で開かれた会合に出席。1時間半ほどレクチャーを受ける。インストラクターを勤めた女性職員は文学部の社会学専修の卒業生で、かつて私が授業で教えていた学生である。因果はめぐり、今日は立場が逆転した。手をあげて3回も質問してしまった。
  戸山キャンパスに戻り、社会学専修の教室会議に途中から出る。出られないかもしれないのでお弁当の手配は不要といってあったのだが、結局、「たかはし」の二重弁当を食べることになった。助手のK君が自分の分を回してくれたのかもしれない。気配りのK君にはそのうちナンカ送っておきましょう(「踊るさんま御殿」のナレーターの口調で)。
  2時から教授会だが、学生数名に急ぎのメールを書かないとならなかったので、1時間ほど遅れて会議室に入る。今日は寝不足気味で、途中で強い眠気に襲われる。そこで少々ウトウトしたら、頭がスッキリした。
  生協の書店で以下の本を購入。TVドラマの『風のガーデン』は明日が最終回。シナリオを読むのはそのあとだ。シナリオがそのまま本になるのは倉本聡や山田太一といったごく一部の作家に限られる。TVドラマが本になるときはほとんどがノベライズ(小説の形にしたもの)で、水で薄めたビールのようである。

  田上孝一ほか『<人間>の系譜学 近代的人間像の現在と未来』(東海大学出版会)
  岩崎稔ほか編『戦後日本スタディーズ3 80・90年代』(紀伊国屋書店)
  倉本聰『風のガーデン』(理想社)
  柴田元幸編・訳『柴田元幸ハイブリッド』(アルク)

  6時半から「ホドリ」でコンパ。私を入れて8人のミニ・コンパで、テーブル1つ(コンロ2台)で全員が座れる。「ファミリーセット」(5人程度)という大皿を2つ、キムチとナムルの盛り合わせを各2つずつ、各自の飲み物、肉を焼き始めてからご飯とワカメスープも。「ホドリ」は大学院の学生だった頃からの馴染みの店(ただし当時は別の名前だった)で、いまでもたまに学生たちと来る。肉皿を追加注文して、お腹いっぱい食べても一人3000円で収まる廉価な店だ。7人の学生は全員、現代人間論系の2年生で、来年からのゼミ所属は私のゼミが5人、安藤先生のゼミが1人、草野先生のゼミが1人。現在進行中の半期演習ではいろいろな先生の授業に出ていて、学生の目に先生方がどのように映っているのか、彼女たち(今日は全員女子学生なのである)の話からよくわかった。私の左隣のOさんからは、「大久保先生は夏でもジャケットを着ていて、たいてい青系か茶系ですよね」と指摘を受ける。これって、もっとファッションに気を遣った方がいいですよという意味だろうか。「全体のイメージは緑で、ほら、今日のセーターも緑系ですよね。」う~む、と私は思わず唸ってしまった。Oさんは安藤先生のゼミ生となる学生なので、安藤先生、気をつけましょうね。私の真向かいに座ったIさんからは、「先生の年収はいくらですか」とか「なぜ奥様と結婚されたのですか」という芸能レポーターみたいな質問を受ける。もっとも、私もその前に「あなたは誰のゼミですか」とトンチンカンな質問をして(Iさんは私のゼミなのである)、Iさんにショックを与えていたので、これでご破算である。私と彼女たちとはちょうど親子ほどの年齢差であるが、私は自分の娘とはこのような会話はしないし、彼女たちも自分の父親とこのような会話はしないであろう。相手の性別・年齢は同じであっても、役割関係が違うと相互作用(会話)はかくも違ったものになるのである。コンパは9時ごろお開きになる。外に出ると、冷たい雨はまだ降っていた。