フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月12日(日) 晴れ時々曇り

2009-07-13 03:00:55 | Weblog
  9時、起床。ウィンナーソーセージとキャベツ炒め、トースト、アイスカフェラテの朝食。今日は都議選の投票日だなと頭の片隅で考えながら(まだ誰に投票するかを決めていない)、フィールドノートの更新。
  昼食(明太子と生卵とご飯)をとりながら、録画しておいて『任侠ヘルパー』の初回を観る。老人介護ビジネスへの進出を目論む組長の命令による介護施設で研修を受けることになった極道たちの物語。草君はその極道の一人。『僕と彼女と彼女の生きる道』(2004)のときは、家庭を顧みないエリート銀行員が「いい人」になる話だったが、今回もそれと同型の話だろう。ただし出演者が多い分、ゴチャゴチャした印象を受けた。
  夕方、投票に出かけ、そのまま散歩へと移行。持参した文庫本(伊坂幸太郎『終末のフール』)を西蒲田公園と「シャノアール」で読む。8年後に小惑星が衝突し人類が滅亡すると予告されてから5年が経過した仙台の団地の住民たちの物語(オムニバス)。当初は絶望からパニックになった人々もたくさんいたが、いまは小康状態を得て平穏な日々が続いている。迫り来る「死」を、個人ではなく、集団で意識することで、人々はどのような気持ちになり、どのような行動をとるものなのか、それがテーマの小説である。第一話「終末のフール」では長年不仲な状態にあった父と娘が和解する。第二話「太陽のシール」では30代の子どものいない夫婦が妻の妊娠という事態にどうしたものか思案し、結局、生むことを決める。そう言ってしまえばひどくあっさりした話のようだが、和解や出産の決断に至る心理がたんねんに描かれていて、味わいのある作品に仕上がっている。公園には気持ちのよい風が吹いていて、そこに集っているさまざまな人たちは、まるでいま読んでいる小説の登場人物みたいに、みな穏やかな表情をしていた。