目を閉じると見えました
昼休み、研究室で卒業研究のガイダンスを一件。1時から臨時教授会。臨時といっても何か緊急事態が発生したわけではない、先週の教授会では時間がなくて取り上げられなかった案件を処理するためのものである。2時半に終る。夕方まで、研究室で仕事。
同僚の山田真茂留先生から新著をいただく。『<普通>という希望』(青弓社)。
「このくらいは<普通>のことだ―。<普通>や<常識>が規範として機能し、生活の最低限のモチベーションになっていた時代はもやは遠い過去になった。「当たり前に生きてはダメだ」「独自であれ」「自分らしさをもつために絶えず努力しろ」などの言説の渦のなかでせきたてられるように社会制度から抜け出した途端、社会に戻ることが許されず排除される時代を私たちは生きている。独自性の獲得や社会的成功を生きる指標にするがゆえに、困難に見舞われ、むなしさを感じ、苦悩する人々の現状を、大学生の率直なコメントや若者文化、「私」語りなどの身近な事例を導きの糸にして描き出す。そして、<普通><常識>をシニカルでニヒルな姿勢からではなく、真正面からしっかりと見据えて、希望に満ちた明るい<普通>さの可能性を探る」(本書裏表紙の紹介文)
そこから抜け出すべき<普通>ではなくて、それに立ち戻るべき<普通>。捨て去るべき<普通>ではなくて、回復すべき<普通>。これからの社会と個人の問題を考える上で、非常に重要な概念であると思う。本書はロバート・N・ベラーの『心の習慣』の日本版かもしれない。私のゼミや専門演習「現代社会とセラピー文化」の受講生にはぜひ勧めたい本だ。
夕方から、大田区役所で男女平等推進区民会議。担当各課からあがってきた自己点検(というレベルまで達していないものが多い)資料に目を通し、ディスカッション。9時半、終了。区役所側の中華居酒屋で暑気払い。