昼から大学へ。3限は「現代人間論系総合講座1」の教場試験。先日の「日常生活の社会学」の教場試験同様、試験監督員を依頼していたつもりでいたら、私の勘違いだったようで、試験開始の時刻になっても誰も現われない。しかたがないので問題用紙と解答用紙を配り始める。とはいっても、一枚一枚配って回るわけではなく、前から後ろに流してもらったのだが、7分しかかからなかった。「日常生活の社会学」のときは7名の監督員に一枚一枚配ってもらって6分かかったから、大して違わない。試験はABCD4つの問題(4人の教員が1問ずつ)の中から1つを選択して解答する方式。見回したところ私の出題したAを選んでいる学生が多いようだ。試験の開始前に「私の採点は厳しいですよ」と一言いうべきだった。
「フェニックス」で昼食(チキンカレー)をとってから、研究室で中国人の留学生の面談。上海の大学を卒業して、この7月に日本にやってきたばかり。当面は語学学校に通って、来年度に科目履修生になり、大学院を受験したいとのこと。科目履修生には面接だけでなれるが、大学院の試験は社会学をちゃんと勉強していないと難しい、という話をする。また、修士課程だけなら国立大学の大学院の方が入りやすい、という話もする。それでも、「早稲田大学で勉強したいです。頑張ります」とひたむきな表情で言うので、入門書として私の『日常生活の社会学』(学文社)をさしあげて、「とりあえずこの本を読んでみてください」とアドバイスする。
5限と6限の一部を使って、現代人間論系室で、卒業研究を選択した3年生と面談。夏休み明けの卒業研究計画書の提出へ向けてのガイダンスを行う。ゼミ生たちにもゼミ論の話をそろそろしなくては。生協で、リチャード・セネット『公共性の喪失』(晶文社)を購入し、「秀永」で夕食(木須肉定食)をとってから、帰宅。
深夜、また一つ悲しいニュースを知る。歌手の川村カオリが亡くなった。彼女のブログはときどき見ていた。7月1日のブログが最後のものになった。
8時半、起床。ウィンナーソーセージとキャベツの炒め、トースト、牛乳の朝食。朝刊(読売)の文化欄で今月の文芸雑誌に載った小説5編が取り上げられていた。川上未映子「ヘヴン」(群像)、青山七恵「山猫」(新潮)、小川洋子「寄生」(文芸秋号)、東浩紀「ファイントム、クォンタム」(新潮)、白岩玄「月と馴れあう」(文芸秋号)。こういう記事は夕刊の文化欄で読むものと思っていたが、最近は違うんだ。これを朝の食卓で読んで、駅の売店で文芸雑誌を購入して、通勤電車の中や昼休みにお目当ての作品を読むサラリーマンやOLがいるとしたら、ケータイをいじる人たちの中で、それはなかなかいい光景だと思う。