フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月18日(土) 曇り

2009-07-19 11:10:08 | Weblog
  10時、起床。フィールドノートの更新をしてから、朝食兼昼食の地鶏丼。昨日で前期の授業はあらかた終了。試験やレポートの採点が始まると再び忙しいことになるが、ここ数日は、嵐の前の静けさとでもいうべき日々である。
  午後、散歩に出る。呑川沿いの道を池上方面に歩く。陽射しは弱いが、気温も湿度も高い。「甘味あらい」でクリーム宇治金時を食べる。繊細なカキ氷のふわっとした食感と上品な甘さ。追加で磯辺巻きを2つ食べる。これまであんみつなどに磯辺巻きが2つ付く「甘辛セット」を注文すると、甘味と磯辺巻きが同時に運ばれてきて、最初に甘いものを食べて、後から口直しに辛いものを食べたい私は困惑していたのだが(磯辺巻きは置いておくと冷えて固くなってしまうので先に食べることになる)、今回のように、最初からセット注文ではなく、甘味をまず注文し、それを食べ終えてから磯辺巻きを注文してもセット扱い(2つで250円)してくれることがわかった(ちなみに単品の磯辺巻きは3つで500円)。

             

             

  帰りの池上線の車内で、伊坂幸太郎『終末のフール』を読む。冷房の効いた車内は夏の読書の場所として最適である。蒲田に着いて、折り返し運転の同じ電車に乗って雪谷大塚まで行き、そこで蒲田行に乗り換えて戻ってきた。「シャノアール」に入って、レモンスカッシュを注文し、『終末のフール』の続きを読む。
  有隣堂で小谷野敦『私小説のすすめ』(平凡社新書)と『Voice』8月号を購入し、ツタヤで『東南角部屋二階の女』を借りる。
  夕飯は、もらいものの毛がに2杯を使った贅沢な(普通は米3合にかに1杯のところを米4合にかに2杯)かにご飯と、天ぷら(海老、茄子、オクラ、大葉)。
  食後、『東南角部屋二階の女』を観る。東京芸大の映像研究科を出たばかりの27歳の池田千尋の商業映画監督デビュー作だが、キャストは西島秀俊、加瀬亮、竹花梓、香川京子、塩見三省、高橋昌也という魅力的なメンバーだ。脚本も映像研究科同期(一期生)の大石三知子ということで、「新人女性監督デビュー作」というプロモーション的な面が強い作品。そういう背景を知らずに観れば、人生に迷う若者たちが人生の先輩である大人たちとの交流を通して新たな旅立ちへと向っていく姿を「気負わずに」描いた作品として観ることができたかもしれない。最近はそういう「ゆるい」系の作品が多いからだ。しかし、私が感じたのは、池田千尋ははたしてこういう映画を作りたかったのだろうかという疑問である。彼女はもっと「青臭い」映画を撮りたかったのではないか。それを周囲の大人たちが寄ってたかって「気負わずに」撮らせてしまったような感じがしてならない。