『代替医療のトリック』です。
サイモンシンの本は今までどれも面白く、最高の知識を
与えてくれます。
なおかつ内容の確かさも今までの自分の信じていたあやふやな物から
科学的なものと歴史的事実に置き換えてくれます。
かつて『フェルマーの最終定理』において数学の歴史を
『宇宙創生』において宇宙論を知り、『暗号解読』では
その謎解き宝探しの歴史を知的興奮とともに味わって
来ただけに、本屋でこの本を見たときには迷わず買って
しまいました。
内容は、期待にたがわず今回も知的興奮をまた味あわせて
くれました。
ショックなことに、日本では現在も鍼治療の看板を
普通に見かけますが、それも似非治療の類に入れられて
いることです。
これら代替医療の蔓延る下地と宗教が人々に求められる
ことも共通したものを感じます。
どちらも信じてしまった方が幸せなのかということです。
それが例え嘘で詐欺的なものでも、嘘だからと知っている人より
信じてしまった人と何が違うのでしょうか。
先月のジョージブッシュの履歴書がいい例です。
彼は歴史的指導者の評価は時間がかかると言って
いましたが、今の状況で我々は彼のせいで苦しまされて
いるのか、それともより繁栄に向かっているのか判断
できないのです。
それならば、いっそ正しい決断をしていい方向に
向かっていると信じて生きる方がはるかに気分が
いいでしょう。