King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

今月のブレンド

2012年05月02日 16時43分07秒 | 珈琲
ゴールデンウィークというと輝く新緑とあつい様なひざし
まぶしい本当にかがやかしい季節を連想します。

ところがここの所雨が続いています。

昨年の今頃はその名も『金』ブレンドでした。

色々金にまつわる豆をブレンドしました。

そして、先月の

おれの眼のまへには河原よもぎの草むらがある。
ひとつかみほどの草むらである。蓬はやつれた女の髪の毛のやうに、へらへらと風にうごいてゐた。
おれはあるいやなことをかんがへこんでゐる。それは恐ろしく不吉なかんがへだ。
そのうへ、きちがひじみた太陽がむしあつく帽子の上から照りつけるので、おれはぐつたり汗ばんでゐる。
あへぎ苦しむひとが水をもとめるやうに、おれはぐいと手をのばした。
おれのたましひをつかむやうにしてなにものかをつかんだ。
干からびた髪の毛のやうなものをつかんだ。
河原よもぎの中にかくされた雲雀の巣。

萩原朔太郎詩集『月に吠える』より

というわけで『雲雀』ときて

今月のブレンドは『ツグミ』です。

いつもは見かけないちょっと大型の鳥が杏の木に営巣し、
未来につながるイメージを連想させてくれました。

味のイメージは

初夏らしい戸惑いと明確な未来への一歩へ苦味と甘みの調和。
印象に残る香りと突き抜ける飲みごこちと後味のさわやかさを
めざしました。

沖縄で感じた梅雨の予感と今の雨が重なり、沖縄っぽい
イメージもあったので、『若夏』という名とブレンドも
浮かびました。

しかし、雲雀ときて次はやはり鳥シリーズでと旅での
イメージは一旦捨てました。

現在、まだ沖縄のコーヒーが残っていますので、沖縄の話と
沖縄コーヒーを試飲されていない方はお早めにどうぞ。

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『傍聞き』読了

2012年05月02日 00時10分56秒 | 読書


これは沖縄行きの飛行機待ちの時、読みました。

『傍聞き』

私のきらいな短編集でした。

旅行の合間での読書には最適な短かいもの語りで、
飛行機内、空港の待ち時間、電車内とそれぞれ
読みきってしまい内容もたいしたこともないので、
軽く読み過ごしてしまうことのできる本が必要な
人にはいいかもしれません。

ただ、歯医者の待合室で読むような内容の本でも
なく、登場する人は社会的な公務員の人が主人公で
そのプロの仕事振りをテクニックで彩りちょっと感動
させるという趣向のつもりのようですが、あまりに
技巧臭くて逆に鼻につくし、これを短編でやる技術と
姿勢を讃えるような解説までついてせっかくの短編
集を貶めてると感じました。

ですからもし読むのでしたら、単行本の方をお勧め
します。

もともと謎解きミステリーの本格的な物は短編である
というのが読者の中では昔から語られていましたが、
最近は新人賞の選考も懸賞も短編に限るということも
なく、いきなり長編でデビューするなんてことも珍しい
ことではなくなっているので、短編の良品は貴重な
ことになるのでしょうか。

売文業ということでいえば、需要があるところ供給も
あるはずで、ミステリーの雑誌や週刊誌など掲載の
場はあるのでそれが本にならないのはやはり優れた
書き手がいないだけなのではないかと思います。

短編ミステリーの優れた作品が少なくなった今貴重な
書きてであり作者というのにはやや賛成しかねるも
売れていることは間違いないです。
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