金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

8:加藤諦三 『非社会性の心理学―なぜ日本人は壊れたのか』

2010-01-13 15:55:59 | 10 本の感想
加藤諦三『非社会性の心理学 なぜ日本人は壊れたのか
(角川oneテーマ21)
★★★★☆

その場・その関係に対する「ふさわしさ」がわからない、
「当たり前」がわからない。
そんな「非社会性」の事例や原因、歴史を述べるとともに
現代社会の問題を提起した一冊。
大変読みやすい。

わたしは「世の中が悪くなっている」というのは
実はあちこちでそう言う人がいるからそう思い込まされているだけ、
ただの「イメージ」じゃないのかという疑いを捨てきれないので
(だって、マスコミの情報を頭から取り除いたうえで
 自分の実体験としてそう感じたことはない)、
筆者の述べていることにも、裏付けとなるデータがない限りは
「本当に日本だけがそうなのか」
「本当に現代だけがそうなのか」
と疑ってかかってしまうのだけど、
理屈で説明できない何かにしたがうこと、
年功序列制や上下関係の利点には納得できる。

しかし、著者はなぜこんなにお金持ちを憎んでいるのだろうか。
謎である。
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7:エレナー・エスティス 『百まいのドレス』

2010-01-13 15:51:18 | 10 本の感想
エレナー・エスティス『百まいのドレス』(岩波書店)
★★★☆☆

ポーランド移民で貧しくおとなしいワンダ。
毎日同じ色あせた青いワンピースを着ているのに
「ドレスを百まい持ってる」と言い張るワンダを、
クラスの人気者であるペギーはいつもからかっている。
ペギーの親友マデランは、自分も裕福でない家庭に育っていること、
いつワンダの立場に自分がなりかわるかわからないことから、
そのワンダをからかう遊びにひそかに心を痛めていた。
学校に来なくなったワンダの作品が、
校内のデザインコンクールで優勝する。
彼女の才能に驚かされるクラスメイトたち。
その日先生がワンダの転校を告げ、ワンダの父親の手紙を読み上げる。

**********************************************

訳は石井桃子。
差別やいじめの問題、加害者と被害者・傍観者の描いた児童書。
感受性というものが死滅してしまったのか?
それとも並行して『非社会性の心理学』を読んでいたせいか?
ワンダの父親の手紙のくだりで、
「こういう書き方しかできないから排斥されるんだよ……」
と思ってしまった。
ワンダにも子どもながらにそれ相応のプライドや見栄があるのは
わかるけど、「100まいのドレス」についてはちゃんと説明しなきゃ
うそつき呼ばわりされるのは当然だろう……と
ちーっとも感情移入できないまま読み終わってしまった。
素直に共感できない自分が悲しい
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6:小林信次・水内喜久雄 『子どもといっしょに読みたい詩』

2010-01-13 15:02:06 | 10 本の感想
小林信次・水内喜久雄『子どもといっしょに読みたい詩』(あゆみ出版)
★★★☆☆

こちらは小学校高学年~中学生向きの詩が多い。
小学6年生の教科書に載っていた谷川俊太郎「生きる」や
河合酔茗「ゆずり葉」、黒田三郎「支度」のほか、
中学3年生の教科書に載っていた新川和江「わたしを束ねないで」などが
収録されていて、読解するのに
抽象的な観念や社会的な視点というものが必要な作品がほとんど。
「学級びらき」「自分・家族を見つめる」「社会を見つめる」
「卒業に送る」などテーマごとに編集されていて、
子ども向けというよりその子どもと接する学校の先生向けかも。

詩って、今はその価値というか力というものを感じるようになったけど、
小中学生だったころなんてぜーんぜん面白さがわからなかったなあ。
詩だけじゃなく、教科書の内容全般がそんな感じだったけど。
本当に、ある程度まで感覚が発達しないと、
自分がやってること・教えられてることの価値なんてわからないのだなあ。
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5:水内喜久雄 『子どもといっしょに楽しむことばあそびの詩100』

2010-01-13 14:36:22 | 10 本の感想
水内喜久雄『子どもといっしょに楽しむことばあそびの詩100』(たんぽぽ出版)
★★★★☆

※仕事で読んだ本は別にメモをとっていたのだけど、
管理しきれなくなってきたのでこちらに一本化することにしました。

アクロスチックの詩をさがして借りてきた本。
「ことばあそび」とあるように、
単純に歌って楽しいわらべうたの詩やいろんな音をテーマにした詩、
行頭にひらがな五十音が入っていたり、暗号がかくされていたりする
アクロスチックの詩、なぞなぞをテーマにした詩など、
楽しくおもしろい作品がいっぱい。
幼稚園~低学年向け。
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