金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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166:アゴタ・クリストフ 『悪童日記』

2010-09-19 15:12:08 | 10 本の感想
アゴタ・クリストフ『悪童日記』 (ハヤカワepi文庫)
★★★☆☆

空襲のひどい<大きな町>から逃れ、双子の「ぼくら」は
<小さな町>に住むおばあちゃんのもとへ預けられた。
自分たちを<牝犬の子>と呼ぶおばあちゃんのもとで
生き抜くために訓練を積み、独学で教育を身につける
「ぼくら」は、目に映った事実のみを「日記」に記す。
少年たちが目の当たりにする戦時下の狂気、
人間の姿を描いた三部作の一作め。

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獣姦とかスカトロとか、ほんと勘弁してほしい。
殺人なんかの残酷なエピソードよりも、
わたしの苦手なタイプの性描写にかなりげんなり。
たとえそれが人間の真実だとしても、
小説の中でまでそれを見たくはないんです。

ということで、総合的な好み度でいえば★3つなんだけど、
その部分をのぞいたら、おもしろい。
ラストの意味が気になるので、
続きの『ふたりの証拠』も読もう。
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164・165:恩田陸『蛇行する川のほとり<1>・<2>』

2010-09-19 14:40:53 | 10 本の感想
恩田陸『蛇行する川のほとり〈1〉・〈2〉』
★★★★☆

毬子は、あこがれの先輩・香澄さんに誘われて、
同じくあこがれの対象である芳野さんとともに
夏休みに香澄さんの家に泊まりこみ、
舞台背景の絵を描くことになる。
美しい二人の先輩と過ごすことに有頂天になる毬子だが、
二人と関わりを持つ月彦・暁臣から彼女たちにまつわる
不穏な話を聞いて不安にかられる。

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再読。
中央公論新社から新書サイズの全3巻で出ていたのを
8年前に購入したのでした。
現在は中公文庫と集英社文庫から一冊に
まとまったものが出ているのだけど、
最初のこの装丁のほうが好きだなあ。
勤め先と家の往復で一冊読めちゃうし。

きらきらしたまぶしい夏の日々を描く
少女小説のような雰囲気に
ミステリー要素が加わっていて、
恩田作品の中ではいちばん好き。
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