金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

18:ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

2011-02-12 16:08:21 | 11 本の感想
ジョージ・オーウェル『一九八四年』(早川書房)
★★★☆☆

「偉大なる兄弟」(ビッグ・ブラザー)率いる党が
支配する近未来社会。
ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務し、
党の発表にあわせて過去の記録を改竄する仕事に携わっている。
常に監視され、体制に反する思想を持つものは密告されたが最後
いつのまにか「蒸発」させられる全体主義的な社会で、
ウィンストンは現在の社会のありように疑問を抱いていた。
自らを思想犯として見張っているのではないかと思っていた
美女ジュリアに「あなたを愛しています」というメモを渡された
ウィンストンは彼女と関係を持ち、反体制活動に参加することを
決意するが……

**************************************

わたしが読んだのは、旧訳のほう。
「言語の統制が民衆の思考を停止させる」という例として
この小説が紹介されているのを読んで、興味を持ったのでした。
より言語を単純化し、語彙を減少させた「新語法」(ニュースピーク)と、
「二重思考」(ダブルシンク)によってコントロールされ、
プロパガンダに操られる民衆たち……恐ろしい
「これは予言か?」と思えるようなところも。

話はなかなか進まないし、観念的な説明が多くて
「おもしろい!」とは思えなかったのだけど、
こういうのを読むと、昔の読書が教養たり得たのがわかるなあ。

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映画:『ピーターパンの公式』

2011-02-12 11:29:17 | 11 本の感想
映画:『ピーターパンの公式
★★★☆☆

男子校に通うハンスは、将来有望な水泳選手だったが、
大学進学に関わる全国大会を目前に退部を決意する。
そんな折、唯一の家族である母が自殺を図り、
昏睡状態に陥る。
自殺は保険が利かないため、高額な治療費が必要なうえ、
母の作った借金の取り立てもやってくる。
希望の見えない日々のなか、ハンスは
隣に引っ越してきた音楽教師の人妻に心惹かれるが……。

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韓国映画。
予告は、
「昏睡状態の母を抱え、空虚な日々を過ごす青年は、
隣に引っ越してきた音楽教師のやさしさに包まれて……」
みたいなハートフルな感じだったけど、
いろんな点で生々しすぎた。
まあ、普通、自分のパンツを自慰に使用され、それを返却された時点で
ドン引きして、関わらないようにするだろうから、
隣の奥さんは確かにやさしいのだろうが……

だんなさんが「会社をクビになったよ」とか
なんでもないことのように言ってるし、
あんな薄手のストッキング被ってコンビニ強盗(ファミマ率高し)したら
すぐ捕まるだろ!と思うし、ツッコミどころは満載。
主人公の男の子が、知人の男の子3人を足して割ったらこんな顔、
という顔だちをしているので、彼が奥さんにアタック?するたびに
笑いがこみあげてきて仕方なかった。

しかし、高校生の身分で高額な借金を背負い、
昏睡状態に陥った母の世話をしなければならないハンスの
追い詰められた状況や、奥さんに救いを求める気持ちは
よく表現されていて、せつない。
海で凧揚げをするデートのシーンはよかったな。
奥さんは美人じゃないのだけど、服装やたたずまいが
「あこがれのお姉さん」って感じなんだよね。
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