金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

20:宮下恵茉 『ガール!ガール!ガールズ! 』

2011-02-14 21:20:24 | 11 本の感想
宮下恵茉『ガール!ガール!ガールズ! (teens’best selections)』(ポプラ社)
★★★☆☆

中学2年生の日菜は、女子の世界のルールを守り、
クラスでもテニス部でも、「外され」ずにうまくやっていた。
ところが女子とはしゃべらないはずの
学校一のルックスの持ち主・藤崎翔音に声をかけられたことによって、
女子のリーダー・あゆに妬まれ、クラスでもテニス部でも
「外され」てしまう。
そんなとき、公園で会った女の子と、象のようなその母親と知り合った
日菜は、彼女たちの家へ招かれることになる。

************************************************

初読の作家さん。
中学生の世界だけを描いていたら、「そうだよね」で
新鮮味もなく終わっていたと思うのだけど、日菜のほかに
かつて女子の世界で失敗してそれを引きずり続けている大人と、
これから女子の世界へ入っていく女の子を登場させていることで
話がおもしろくなっているような気がする。
いくつになっても女子の世界のヒエラルキーはあるよな。
女子の世界で特別な立ち位置にいる、完璧なお姉ちゃんの存在も
いいエッセンスになっていた。

男がらみでいじめが始まっているので、
なにやらロマンスが発生するのかと思いきや、
主人公にまったく男っ気がない。
それも湿っぽくならなかった原因の一つかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

19:あさのあつこ『ねらわれた街―テレパシー少女「蘭」事件ノート〈1〉』

2011-02-14 12:58:46 | 11 本の感想
あさのあつこ『ねらわれた街―テレパシー少女「蘭」事件ノート〈1〉 』(講談社青い鳥文庫)
★★★☆☆

中学1年生になった蘭は、好きな男の子でもある幼馴染の留衣と
小学校からの友達である冴子と同じクラスになり、
中学生活に心を弾ませている。
超能力を持ちながら、その自覚は薄く、「カンがよい」程度にしか
考えていなかった蘭だが、転校生の美少女・翠に
テレパシーで話しかけられ、能力を自覚するようになる。
不気味な視線や笑い声を感じるようになった蘭と翠は、
留衣や蘭の兄・凛とともに、街で起こっている事件について
調べ始めるが……

**************************************

これ、アニメ化もされてたのか。
児童書らしいストレートさ……というか、ひねりのなさなんだけど、
特異な存在を迫害する人間の心理や、
アイデンティティの問題もそれとなく抑えつつ、
蘭と翠の友情と、周囲の人々とのつながりを描いていて、
「おもしろい!」という感じはないのだけど、嫌いではない。
ストーリーに目新しさはまったくないので、
蘭と翠のかけあいを楽しむといった感じ。
2巻以降は……買ったり図書館で借りたりはしないだろうけど、
会社の本棚に入ったら読む。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする