
★★★★★
オランダのデルフトにある画家フェルメールの家に
使用人として住むことになった少女グリート。
掃除をするためにフェルメールのアトリエに足を踏み入れた彼女は
彼の絵に強く惹かれる。
光や色彩に対して、彼女がすぐれた感覚を持っていることに気づいた
フェルメールは、絵の具の調合を手伝わせるようになり、
芸術で結びついた二人は互いに惹かれあうようになる。
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久しぶりの★5つ!
『翼の王国』のフェルメール特集で言及されていたので
見たのだが、冒頭から「これは……!」と思わせる。
画面の色彩がすでにフェルメールの絵のようなの。
スカーレット・ヨハンソンの演技と、
彼女の演じるグリートの魅力に心をわしづかみにされてしまった。
髪も隠しているし、質素な衣装で化粧も薄いんだけど、
内側から発光しているような美しさ!
無口でおとなしく、主人の怒りを恐れておびえているような彼女が
時折見せる甘えに、そりゃあメロメロになっちゃうよね! と思った。
主人と使用人の上下関係がはっきりしていた時代に、
妻や娘たちもいる一つ屋根の下で惹かれあっている、
だけどそれを表に出してはいけない、という秘密の匂いと、
手が触れるだけで緊張感が漂ってしまうような、
抑制された感情の表現が逆にエロチック。