土屋賢二『ツチヤ教授の哲学講義』(岩波書店)
★★★★☆
忙しい時期に入って、本は読んでいるけれど
感想が追いつかない日々。
著者の本をわたしは1冊しか読んだことがなく、
「おもしろいエッセイを書く人」というイメージしか
なかったのだけど、これは哲学の講義をまとめたもので
冗談は前書きにちょこっとあるだけ。
まじめな語り口も決して退屈ではなく、
哲学というものの一端を初めて理解できた!
……ような気がする。
哲学というと「自分とは何か」「人生とは何か」という
答えの出ない崇高な問いを考え続ける学問だと
勝手に思い込んでいたのだけど、
具体的にどういう方法で人々がどんな考え方をしてきたのか、
ほとんど知らなかったので、驚きも多かった。
学生からの質問とそれに対する解答も盛り込まれているのだけど、
学生さんたち、賢いのね……。
わたしはきっとその場にいても話を理解するのに時間がかかり、
その場で疑問点など出せないと思うわ。
「われ思う、ゆえにわれあり」というデカルトの考えが
言語規則に基づいたものであり、それは事実や真理ではなく
「言語の規則はこうなっている」という主張にほかならない、
という説明にはなんだか呆然としてしまった。
物理法則や数学の定義なんかだと他人の考えの誤りを発見して
否定することはできるけれど、哲学の考えを否定することは
できないような気がしていたから。
本当に、世の中には賢い人がたくさんいて、
歴史の中にたまに出現するそういう人たちが
スプリングボードになって学問や社会は発展していくのだなあ……
と改めて思った。
★★★★☆
忙しい時期に入って、本は読んでいるけれど
感想が追いつかない日々。
著者の本をわたしは1冊しか読んだことがなく、
「おもしろいエッセイを書く人」というイメージしか
なかったのだけど、これは哲学の講義をまとめたもので
冗談は前書きにちょこっとあるだけ。
まじめな語り口も決して退屈ではなく、
哲学というものの一端を初めて理解できた!
……ような気がする。
哲学というと「自分とは何か」「人生とは何か」という
答えの出ない崇高な問いを考え続ける学問だと
勝手に思い込んでいたのだけど、
具体的にどういう方法で人々がどんな考え方をしてきたのか、
ほとんど知らなかったので、驚きも多かった。
学生からの質問とそれに対する解答も盛り込まれているのだけど、
学生さんたち、賢いのね……。
わたしはきっとその場にいても話を理解するのに時間がかかり、
その場で疑問点など出せないと思うわ。
「われ思う、ゆえにわれあり」というデカルトの考えが
言語規則に基づいたものであり、それは事実や真理ではなく
「言語の規則はこうなっている」という主張にほかならない、
という説明にはなんだか呆然としてしまった。
物理法則や数学の定義なんかだと他人の考えの誤りを発見して
否定することはできるけれど、哲学の考えを否定することは
できないような気がしていたから。
本当に、世の中には賢い人がたくさんいて、
歴史の中にたまに出現するそういう人たちが
スプリングボードになって学問や社会は発展していくのだなあ……
と改めて思った。