2024年の映画③『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介 監督)
★★★★☆4.5
★★★★☆4.5
映画館にて。
広く公開されていた時期には全然見る気が起こらなかったのだけども、
友だちの誘いで、遅れて上映しているところへ見に行った。
原作は読んだことがあるし、話も知っているのに、
自分でも「なぜこんなに泣く!?」と思うほど泣いてしまった……。
小児麻痺で体が思うように動かないやすあきちゃんが木に登れた!
というだけで泣いちゃうし、大切な人が亡くなる場面では当然泣くし、
明るく将来の夢を語って別れる子どもたちが、
もう二度と同じ学校へ戻ることができないこと、
そのうちの何人かは大人になる前に亡くなってしまうであろうことも
わかって泣いてしまうし、
校長先生から受け取った肯定と愛を、
トットちゃんが幼いきょうだいに分け与えるところで泣いてしまうし。
「普通」の枠におさまることができないトットちゃんのような子どもたちが
トモエ学園に行けて居場所を見つけられたのが、
理解ある富裕層の両親のもとに生まれたからだということは、
言葉にしなくてもわりとはっきり描かれていたように思う。
きっぷを受け取っていた駅員さんが途中で男性から女性にかわったのは、
出征することになったからであろうし、
戦争の影響が背景としてあちこちに描かれている。
そういう、言語化はされないけれども気づく人は気づく、
気づけなくてもメインのストーリーはちゃんとわかる、
という作りがとてもよかった。
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