金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

16:笹生陽子 『ぼくらのサイテーの夏』

2011-02-09 20:55:23 | 11 本の感想
笹生陽子『ぼくらのサイテーの夏』(講談社青い鳥文庫)
★★★☆☆

一学期の終業式の日、ぼくは別のクラスの同級生・栗田に
「階段落ち」の勝負で負けた。
対抗意識を燃やして無茶をした結果、
前歯が欠けたうえ、左手首をねんざ。
さらに夏休みのプール掃除の罰まで下され、栗田とふたり、
プール掃除に通う羽目になり……

*******************************************

これも再読
表題作のほか、「きのう、火星に行った。」も収録。
笹生さんの作品は、教材や模試でよく見るので、
ムードに慣れすぎて食傷気味……というのもあり、
特に心を動かされることもなく読み終わってしまった。
再読して感じ方が変わったり新しい発見のある話もあれば、
なにも思わない話もあるなあ……。
この人の本は4冊しか読んでいないけれど、
嫌いじゃない、でも好みというわけじゃない、というところかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

15:椰月美智子 『十二歳』

2011-02-09 20:26:17 | 11 本の感想
椰月美智子『十二歳』(講談社)
★★★☆☆

再読
文庫落ちしてますね。

読んだ本の内容を忘れることってあまりないんだけど、
大きな事件も起こらず、日常生活の中で心が揺れ動いていく
有様を描いている、ストーリー性の希薄な話だったせいか?
「十二歳の女の子の目を通してみた日常」を描いた作品であるということと、
「うちのお父さんは(中略)私とは少しばかり気が合うのだ。
 お父さんと私の好きなものは、だいたい似ている」
というフレーズしか覚えていなかった。

初読時と特に印象は変わらないんだけど、
サンタクロースが実在しないと、児童書で書いてしまって
いいのかしら……と心配になってしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12-14:土橋真二郎『生贄のジレンマ〈上〉・〈中〉・〈下〉』

2011-02-08 19:45:26 | 11 本の感想
土橋真二郎『生贄のジレンマ〈上〉・〈中〉・〈下〉』(メディアワークス文庫)
★★★★☆
 
卒業式を間近に控えたある高校で、健康診断を名目にして
三年生全員が学校に集められた。
学校に閉じ込められた彼らは、有無を言わさず、
電子黒板に現れた「バニー」の指示で進むゲームに巻き込まれる。
指定された時間までにクラスで一人、生贄を選出しなければ
そのクラスのメンバーは全員死ぬ。
生贄志願者が「穴」に飛び込めば、
学年全員に24時間の猶予が与えられる――。
下級生の不謹慎な余興なのではないかと半信半疑でいた生徒たちだったが、
最初の指定時間に生贄を選出しなかったクラスのメンバーが
全員死亡したことにより、クラス内で生贄を決める投票が始まってしまう。

*****************************************************

勤め先の大先輩と趣味の本について話す機会があり、
先輩が「金返せもん」と言って譲ってくれたもの。
ジャンルとしてはバトロワ系になるんだろうか……。
文章と人物造形がライトノベルっぽいなあと思ったら、
電撃文庫から出てきた人なのね。
2巻まではわりとおもしろく読めたけれど、全3巻は長すぎた。
途中で中だるみしているようなところもあり、一度読むのを中断。
「そもそもゲームがなぜ行われたのかという理由について、
納得できるような説明がない!」
というのは先輩から前もって聞いていたのだけど、
確かにこれだけの長い物語にするからには、
事後処理等の説明がないともやっとするなあ。
でも読ませる人だと思った。ほかの作品にも期待。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11:よしもとばなな『彼女について』

2011-02-04 10:32:51 | 11 本の感想
よしもとばなな『彼女について』(文藝春秋)
★★★★☆

ひとところに定まることのできないままに暮らしていた
由美子のもとへ、ある日突然、
母親同士が双子という関係にあるいとこの昇一がたずねてきた。
母親同士の仲たがいから、幼いころにあったきり、
親交のなかった二人は、過去に何が起こったのか、
母親たちをめぐる旅に出かけるが……

**********************************************

母親たちに何かあったらしい、
由美子の母親が普通の状況ではない死に方をしたらしい……という
過去に関する謎をほのめかしながら、二人の会話や回想によって
徐々に事情が明らかになっていく形で話は進む。
オカルトに宗教、昇一の描き方なんかはいつもの
ばななワールドだなあ……という感じなのだけど、
ラストでまさかの展開。
こういうどんでん返しは、他の作品では見かけるけれども、
ばなな作品では初めてではないかしら?
いろいろと釈然としない点はあるのだけれど、
ムードでねじ伏せられた感じ。
酷いのに救いのある、不思議なお話。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする