それにしても本当に馬鹿なことをした。黙って仰せの通りにいたしますと適当に認定業務を流していればよかったのだ。そうしたらみんな仲良く「笑顔」だったのだ。話はかわるが大昔、メディア研究家の講演を聴いた。仕事で不都合があり、もしも追求されて窮地に陥ったら、「常に自分を万人が認めざるを得ない普遍的なよりどころに持っていくよう」に聞いた。つまり医者なら「・・・そうです、あの時そうしたのは患者さんの命を守るためにしたのです」などとくり返すことである。「患者さんの命」という普遍的な重要性を前面に押し立てて自分の思いや行動を弁護するという手法である。医者同士での会話で「僕ぁ~、患者さんの命をっ、救うんだぁ」という言葉が出てくると、オイオイ、熱血医療ドラマの見すぎじゃないの?と、逆に相手が胡散臭くみえてしまう。普通の医者ならこんなことは誰も口にださずにただ「淡々と」やっているのである。しかし一般的にこれを口に出す場合こそまさにリスクマネジメントなのである。