吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

救急搬送 その1

2016年05月31日 05時49分59秒 | 日記
 この前、ある患者さんの胃カメラ検査中で胃の上部の粘膜上に露出血管を見つけた。そしてその血管周囲からはじわじわと出血しているのが発見された。いわゆるDieurafoy潰瘍(デュラホイかいよう)というやつである。
 これは本来粘膜下にある小動脈に動脈瘤ができ粘膜の表面に顔を出すものである。これが破綻したらjet状の出血となり容易に出血多量となる。
 じわじわの出血であるが大出血の前兆のようである。早急にクリップ止血を考慮しなくてはならない。ところがうちには止血器材がないのである。これはほとんど使用する機会がないので経済効率が悪いため在庫を置いていないのである。
 しかし何とかしなくては・・・と思うも、どうしようもないため、患者さんを説得し大学病院のERに転送した次第である。うまくクリップ止血が可能であれば入院も短くて済む。なんとか祈る思いで救急車に患者さんを乗せたのである。ちょっと冷や汗・・・。