吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

急死 その2

2018年03月09日 06時03分10秒 | 日記
 この消防署長さんは、「夜、ちょっと食べ過ぎてね、胃が痛くて重いんです。胃の薬下さい」と言っていた。こんな時、絶対に「患者自身の診断」は信用してはいけないのが鉄則である。つまり「患者の話には耳を傾けろ。でも額面通りに受け止めるな」ということが基本である。患者の症状はきちんと聞く、でも患者の診断や決めつけには流されてはいけないのである。

 しかしその署長さんは自分の「診断」に固執した。自分の同僚が診察したが、とりあえず胃の症状かどうかは疑わしいので心電図検査を勧めたのである。しかしどうやら自分よりはるかに若い医者の言うことなど信じられなかったのか
「私は胃が苦しいので心臓の検査はいらない。胃薬をくれ」と譲らなかったそうなのである。

 他にもたくさん救急患者は待っている。ここで時間をとってしまうと他に待っている患者は滞る。またそこまでして強いると署長さんも何か怒り出すかもしれないほどの固執ぶりだったそうである。結局同僚は胃薬を処方せざるをえなかったのである。
 ところがその日の夜中になって・・・・