吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

教室で男児が心肺停止 先生とクラスメートの15分間 その2

2020年12月28日 05時29分01秒 | 日記
 救命できたのである。ものすごく素晴らしいことには間違いない。この結果は最高である。
 ただ「市が救護に当たった教員に感謝状を贈って、彼らがそれを受領したこと」である。自分は極めて違和感がある。 教員には生徒の救護義務があるのである。通りすがりの通行人が好意で救助したものと同様ではない。
 自分は15年前に、総務省主催の心肺蘇生普及研究班会議で委員をしていたことがあった。その席上で「小学校教員も校内における生徒の心肺停止に対応するため心肺蘇生技術を習得すべきである」と意見を言った。
 すると教育委員の一人が「とんでもない。教員にはいじめやエイズやその他、受けるべきカリキュラムがたくさんあって心肺蘇生など挟み込む余地はない」と冷ややかに言われたのである。
 まあ、簡単に言えば目の前の生徒の命を助けるよりも、いじめ問題やHIV教育のほうが重要と思われていたのである。教育委員にである。