吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

アンビリバボー その1

2018年03月13日 05時36分32秒 | 日記
 3月8日フジTV系列で奇跡体験アンビリバボーという番組を見た。
 四国のマラソン大会で男性が心肺停止になりそこに集まった参加ランナーが、奇跡的に医師2名、看護師3名、救命士2名とすべて医療従事者であった。彼らは現場で心肺蘇生を交代で行い、到着したAEDで除細動が行われその傷病者は心拍再開。そして以後は後遺症を残すことなく社会復帰できた。
 そしてそればかりではなく、またこの大会にその元気になった傷病者が出場しみごとフルマラソンを完走したという感動物語なのである。
 話の内容は事実でありとても感動的なものである。みていてとても感激したのであるが、一瞬はっと気が付いた。この実際の話はいいのであるが物語の脚色がいただけない。危うく騙されるところであった。

風邪にインフルエンザワクチン?

2018年03月12日 05時40分50秒 | 日記
 現在、まだまだインフルエンザが流行している。
 この前、こられた患者さんが言っていたので思い出した。時々このように仰る患者さんがいる。
 「いや~、インフルエンザのワクチン注射をしていたのでよかったですよ。この前、風邪ひいたときに、微熱程度で寒気もなく軽く済みました。風邪に良く効きますよね~」と・・・。

 う~ん、風邪には効能はないんですけどね・・。でもあまりにも喜んでいるので「それ効いてませんよ」とは言えず「あーそうですかぁ~よかったですね」と答えてしまうのである。

 なかには「あの風邪のワクチンの用紙が区から届きました」とおっしゃる方もいる。
 よく聞くとインフルエンザワクチンの予診票のことである。完全に同じであると思っていらっしゃる方がすくなくない。

 とにかく風邪にインフルエンザワクチンが良く効くと思っている人が多いのに驚いているのである。
 今後、訂正しようかどうか迷うところであるのだが・・・。

急死 その3

2018年03月10日 05時50分33秒 | 日記
 夜中にその消防署長さんは心肺停止で救命センターに搬入されてきた。自宅で「胃」の痛みは治まらず急変し救急車を呼んだのである。心肺蘇生を施行して一旦は心拍再開し、心電図を見ると心筋梗塞(下壁梗塞)だったのである。結局そのまま虚血性心不全で再び心停止となり、亡くなられたのである。
 そのように奥様に告げたところ「だったら、なんであの時『押さえつけてでも』心電図をとってくれなかったんですかっ!」と罵声を浴びせられた。
 こちらとしてはあくまでも可能性があることをお話しして検査を勧めているのである。にもかかわらず奥様は「患者本人が拒否しても嫌がっても、押さえつけて検査」することを希望されたのである。もしあの時そうして何も所見がもしなかったら、その署長さんは「患者が拒否しているのに無理やり不必要な検査をした」と言っただろう。
 あの時の奥様の罵声が今でも思い出されるのである。

 ではあの時、自分の同僚はあの署長さんにどうしてあげればよかったのか、今でも自分に答えはない。思い出したくない想い出である。

急死 その2

2018年03月09日 06時03分10秒 | 日記
 この消防署長さんは、「夜、ちょっと食べ過ぎてね、胃が痛くて重いんです。胃の薬下さい」と言っていた。こんな時、絶対に「患者自身の診断」は信用してはいけないのが鉄則である。つまり「患者の話には耳を傾けろ。でも額面通りに受け止めるな」ということが基本である。患者の症状はきちんと聞く、でも患者の診断や決めつけには流されてはいけないのである。

 しかしその署長さんは自分の「診断」に固執した。自分の同僚が診察したが、とりあえず胃の症状かどうかは疑わしいので心電図検査を勧めたのである。しかしどうやら自分よりはるかに若い医者の言うことなど信じられなかったのか
「私は胃が苦しいので心臓の検査はいらない。胃薬をくれ」と譲らなかったそうなのである。

 他にもたくさん救急患者は待っている。ここで時間をとってしまうと他に待っている患者は滞る。またそこまでして強いると署長さんも何か怒り出すかもしれないほどの固執ぶりだったそうである。結局同僚は胃薬を処方せざるをえなかったのである。
 ところがその日の夜中になって・・・・

急死 その1

2018年03月08日 05時38分32秒 | 日記
 俳優の大杉漣さんが亡くなった。つい数時間前までは食事を俳優仲間としていたのである。その後ホテルで腹痛を訴えて病院に行きそこで急変し数時間後に息を引き取ったのである。死因は、おそらく腹部大動脈瘤破裂か心筋梗塞であろう。
 特に心筋の下壁の梗塞では胸痛よりも上腹部痛(心窩部痛)を主訴とする。「お腹が痛い」といってくるのである。そしてこれは30年前の米国の教科書にも書かれているのだが、「食べすぎだよ」といって心臓発作を自ら否定する患者は、心臓発作の確率が高いと言われている。

 この心窩部痛を訴えて急変→死亡というパターンを聞くにつけ、昔のある症例を思い出す。かれこれ20年くらい前の話である。夜間、大学の救急外来にどちらかの消防署長さんがきた。

日本人初のオスカー賞

2018年03月07日 05時17分34秒 | 日記
 メーキャップアーティストの辻一弘氏が日本人初のオスカー賞を獲得した。彼の作品は見事である。まるで生きているかのようなメーキャップなのである。かれのこの快挙を報道するニュースを何度も見たが、「ひっかっかる」ところが一つあった。確かに彼はまるで本物の顔のように微に入り際に渡り、細かく再現するのである。そこでニュースの解説であるが「・・・彼は皺の一本までそして毛細血管まで見事に再現し・・・」 オイオイいいかげんにしてくれよと言いたくなった。毛細血管まで再現するってそんなことできるわけない。毛細血管って顕微鏡でなければ見えない世界。皮膚に毛細血管が透見できるわけない。こればっかりは再現したくとも再現はできない。

 っていうか、このニュース映像の原稿考えた人が話を膨らませようとしたあまり事実誤認しているのである。それ以後、「ニュース解説の中に事実と異なる部分がありました・・・」という訂正はない。

訳が分からん

2018年03月06日 06時14分46秒 | 日記

http://ksl-live.com/blog14141

   この動画

 サンデーモーニングという番組でのこのテレビ朝日の論説委員であるが、実に的外れというか何か作為的な意味のあるようなコメントを残している。
 平昌五輪が過去の冬季五輪で一番のメダル数をあげたが、日本国内での五輪に対する応援で「日本、日本と言わないと許してもらえない空気にはしない」とコメントしている。全く意味が不明である。どこにそんな「空気」があるというのであろうか?
 応援と言うのは自らが望んでするものである。応援したくなければ応援しなければいいだけの話である。今の日本、そこまで自由度や多様性が低いのであろうか? まるで自ら望んでもいない(日本なんか応援したくない)と思っている人たちに対して日本人の誰かが、「応援しないと許さないぞ」と強要でもしている現実があるような物言いである。
 例えば広島市民だけどカープの応援したくない人もいるだろう。でも広島市民はそのような人たちにカープの応援を強いることはないだろう。
 同じことである。この論説委員はありえない話を比ゆ的にして何か別の意味のことを言いたいのかもしれない。まあ朝日新聞系列であれば反日的なコメントはするだろう。何だかこの人の真意としては「五輪で日本を応援しちゃだめですよ」と言っているようである。
 日本人であってもなくても、応援したい人が応援し、応援したくない人は応援しない・・・これで何が悪いのか?
 何だか訳の分からない意見を持った人が論説委員をしているのが不思議である。

予感的中

2018年03月05日 05時31分38秒 | 日記
 ちょっと前に「羽生に国民栄誉賞」などとブログに書いた。数日前のニュースでは、政府は国民栄養賞授与の具体的検討に入ったと報じた。予感的中であるが、でもこんな予感など誰にでも思いつくことである。まあお目出度いことである。長嶋・松井のダブル受賞よりももっとクリアでわかりやすく誰もが納得するであろう。
 しかしながら前にもふれたが、「皆が納得」するかもしれないけど、具体的な受賞基準は何?といつも感じるのである。「皆が納得」というのは客観的な基準ではなく感覚的なものであり人気や注目度の問題である。人気があって注目度が高ければパンダでもいいのか? あるいはフナッシーでもいいのかということになる。
 伊調馨の五輪4連覇、吉田沙保里の3連覇も、吉田沙保里の方が先に受賞したという疑問は残るが、受賞自体はまあ妥当である。柔道の山下は五輪金1個であるが、伝説の百数十勝を連勝でしている実績がある。しかし前人未到の五輪柔道3連覇の野村選手には何もない。やはり「国内で人気が出たり話題になったりしないとだめ」というような選考基準でもあるのかもしれない。
 結局人気などでメディアに乗った回数が実績として重要視されるのかもしれない。極めて不公平感を感じるものである。

秋田犬

2018年03月03日 06時08分50秒 | 日記
 フィギアスケートで金を取ったザギトワ選手(15歳)であるが、とんでもない選手が出てきた感じがした。今後しばらく王座に君臨するかもしれない。
 さてロシアでは勲章とご褒美の高級外車が授与されたそうである。まあ今回ドーピング問題で出場選手が少なく個人資格での出場となったのであるが、金は2個と言う結果であった。

 さてそれロシア国内では勲章、高級外車・・・というのも話は分かる。しかし五輪開催国でもない日本から、彼女が「私、秋田犬がほしい」と呟けば、保存協会のほうから「じゃあ、さしあげましょう」というのも何だかちょっと・・・??かなと。
 五輪前の練習で新潟合宿していたらしいし、また日本のアニメ好きで親日家とも聞く。まあ、目くじら立てなくとも秋田犬、ひいては日本のイメージアップのためにいいのだと思うが、たかだか15歳の子供のつぶやきに反応してしまうのも何だかなぁ~とも感じる。
 いやいや、太っ腹の日本を見せたほうが東京五輪にも世界から沢山来日してくれる・・・かも?

注目度

2018年03月02日 05時29分28秒 | 日記
 今回の注目度の1位はやはりスケートの羽生であろう。これはゆるぎない。しかし他に金を2つとった高木姉妹の姉や金銀銅とった妹もいる。またスノボで銀を2大会連続でとった選手もいるのであるが、後半に来てすべてカーリング娘にさらわれた感じであった。成績で言えば銅である。
 でもこの注目度の高さはなんであったのだろうか? たぶんそれは彼女たちにオーラが全くなかったからであろう。
 ちょっと電車の中で隣に座っているようなお姉さんたちである。そんじょそこらに居そうな女の子達が銅をとったという落差が注目を浴びたのだと思う。
 他の選手はいかにも・・・というくらいアスリート然としたオーラがある。彼女たちは、間違いなく辛い筋トレとかもこなし、つらい練習を積み重ねてきているわけであるが、申し訳ないけど、その様子が微塵も感じられないのである。
 試合中にも関わらず、笑顔で試合を(楽しんではいないが)楽しんでいそうな爽やかさというギャップが気を引くのである。今までメダルをとったというアスリートの佇まいや雰囲気からするとどうしても「異端」に見える。
 でもつい画面を見入ってしまったのは不思議である。

Hand in hand その3

2018年03月01日 05時39分50秒 | 日記
 女子パシュートでは日本が金メダルをとった。まあこれも感動的だった。でも金銀銅の3チームが記念撮影で集まっている時に、1人のオランダ選手の表情は「目一杯悔しい表情」をしていた。
 他の選手は笑顔であったが、これは作り笑顔などできないような悔しい状態なのである。
 こんな時、このような人に勝者が駆け寄って、お互いの健闘を讃えあう・・・こんなことはますます敗者のプライドを傷つけることになる。
 基本的にはどんな競技でも「敗者は無視」してあげるのが一番いいと思うのである。もちろんそんなことはTV的には絵にならないし、五輪憲章にも反するかもしれない。

 今回小平選手がイ・サンファ選手のもとに駆け寄り肩を抱いた。互いが納得できている仲であれば問題はない。でもそうだとしても、もし自分だったら感動的映像を録りたがっているTVカメラのお手伝いなんかしたくないのである。
 こういうだろう「ほっといてくれよ!」