電話を社長が取っているようだ。
「え?保険証の写し?なになに?そんな、記帳なんていちいち行ってないって。」
どうやら、相手は銀行の融資担当のようである。(融資を申し込んだのは何ヶ月も前だったのだが)
電話の話を聞いている所では、その融資に社長の自宅を担保に入れるため、社長の保険証のコピーや、自宅のローンをちゃんと払っている証明(通帳のコピー類)が必要だと言っているらしい。
「sake君、この保険証の写しをすぐ銀行にFAX送って」
「ハイ」
また社長は電話を続ける。
「・・通帳記入だってしばらくしてないからさぁ、それを今日の今日くれと言われてもね、カミさんも娘の就職説明会で居ないしさぁ、どうしてさぁ~それをもっと早く申し込んだ時に言わないのよ?」
かなり社長はご立腹だった。
社長は、後手後手でまごまごしているモノの全てが嫌いな人なのだ。そもそも何ヶ月前に申し込んだ融資の手続きを今始めている事が気に入らないのだ。
そうかい、分かった、と電話を切ると、今度は社長は自宅ローンをしている某銀行に電話をしたのである。
「もしもし?○○会社の(社長の名前)だけれども、俺の自宅ローン明細を会社までFAX送ってくれよ。」
(え?!)
2~3年前なら、通帳のコピー内容をFAXして送ってくれる金融機関もあったのだが、今は『個人情報のウンタラ』で、通帳内容のFAXサービスはほとんどの銀行がやっていないはずでは?更に厳しい所だと、電話の照会も不可で記帳するか暗証番号を使ったネットやテレホンバンキングを使わないと残高すら分からなくて不便なのだ。
「だからぁ、俺が俺の残高をFAXしろって言ってるんだよ!何ができないんだ!」
やはり、金融機関の窓口で「申し訳ありませんが」と断られているようだ。そりゃそうだよ、これで社長の通帳明細FAXがピロピロって転送されたら、他の社員でも、うちの会社の社長だと偽ってコワオモテで電話してFAXを取り寄せる事ができてしまうではないか。
「まだ分からないかな!社長の俺が自分の会社にFAXしろと言ってるんだよ!もっと偉い奴呼んで!!」
いやーもっと偉い人が出てきても、ダメなもんはダメでしょ。(笑) 私は会社の行く末はさておき、この会話の続きがどうなるのか、ワクワクしながら社長の台詞(ほとんど脅し)を楽しんだ。
「sake君!!この銀行のうちの担当者何て名前だっけ?」
「えーっと・・」
名刺を探す・・この銀行は前に貸し渋りをされて、今はあまり取引してないので、担当者の名前も忘れてしまった。こう言うときにまごまごしていると、とんだ火花が次にこちらに向くので要注意である。
あ。やっとみつかった、でもこのSさんは若い人だ。もっと上の支店長の名前何だっけ?
「あ、Sさんですかね?たしか若い人でしたが。」
社長は電話窓口の人にSさんを呼んでもらったようだ。その間、そっと社長に言った。
「社長、今は通帳明細をFAXするのは個人情報ウンタラでやってくれないんですよ、どこの銀行も」
「あ、そうなの?ふーん」
でも、社長の信念は強かった。もう台詞を書くまでも無く(と言うかあの迫力は私の文筆では書けない、とにかく脅しである)すごい勢いで、とにかく送れとすごんだのである。
「今から送るってよ。」社長は電話を切って言った。
「え!◎◎送ってくれるんですか?」
「俺が言うんだから当然だろ」
やがて、5分後くらいにピロピロピロ~っとFAXが入ったのである。
「ほらみろ。sake君が言ってもダメだけど、俺だと送るんだよ。社長が自分の会社に送れって言うのだから、間違いないだろ。相手によるんだよ。」
「えっ・・・。」
あれ?本人の確認が声だけでも大丈夫なんだっけ??^^;
「俺なら送るんだよ」
このあと、社長の機嫌はすこぶる良くなった。
「え?保険証の写し?なになに?そんな、記帳なんていちいち行ってないって。」
どうやら、相手は銀行の融資担当のようである。(融資を申し込んだのは何ヶ月も前だったのだが)
電話の話を聞いている所では、その融資に社長の自宅を担保に入れるため、社長の保険証のコピーや、自宅のローンをちゃんと払っている証明(通帳のコピー類)が必要だと言っているらしい。
「sake君、この保険証の写しをすぐ銀行にFAX送って」
「ハイ」
また社長は電話を続ける。
「・・通帳記入だってしばらくしてないからさぁ、それを今日の今日くれと言われてもね、カミさんも娘の就職説明会で居ないしさぁ、どうしてさぁ~それをもっと早く申し込んだ時に言わないのよ?」
かなり社長はご立腹だった。
社長は、後手後手でまごまごしているモノの全てが嫌いな人なのだ。そもそも何ヶ月前に申し込んだ融資の手続きを今始めている事が気に入らないのだ。
そうかい、分かった、と電話を切ると、今度は社長は自宅ローンをしている某銀行に電話をしたのである。
「もしもし?○○会社の(社長の名前)だけれども、俺の自宅ローン明細を会社までFAX送ってくれよ。」
(え?!)
2~3年前なら、通帳のコピー内容をFAXして送ってくれる金融機関もあったのだが、今は『個人情報のウンタラ』で、通帳内容のFAXサービスはほとんどの銀行がやっていないはずでは?更に厳しい所だと、電話の照会も不可で記帳するか暗証番号を使ったネットやテレホンバンキングを使わないと残高すら分からなくて不便なのだ。
「だからぁ、俺が俺の残高をFAXしろって言ってるんだよ!何ができないんだ!」
やはり、金融機関の窓口で「申し訳ありませんが」と断られているようだ。そりゃそうだよ、これで社長の通帳明細FAXがピロピロって転送されたら、他の社員でも、うちの会社の社長だと偽ってコワオモテで電話してFAXを取り寄せる事ができてしまうではないか。
「まだ分からないかな!社長の俺が自分の会社にFAXしろと言ってるんだよ!もっと偉い奴呼んで!!」
いやーもっと偉い人が出てきても、ダメなもんはダメでしょ。(笑) 私は会社の行く末はさておき、この会話の続きがどうなるのか、ワクワクしながら社長の台詞(ほとんど脅し)を楽しんだ。
「sake君!!この銀行のうちの担当者何て名前だっけ?」
「えーっと・・」
名刺を探す・・この銀行は前に貸し渋りをされて、今はあまり取引してないので、担当者の名前も忘れてしまった。こう言うときにまごまごしていると、とんだ火花が次にこちらに向くので要注意である。
あ。やっとみつかった、でもこのSさんは若い人だ。もっと上の支店長の名前何だっけ?
「あ、Sさんですかね?たしか若い人でしたが。」
社長は電話窓口の人にSさんを呼んでもらったようだ。その間、そっと社長に言った。
「社長、今は通帳明細をFAXするのは個人情報ウンタラでやってくれないんですよ、どこの銀行も」
「あ、そうなの?ふーん」
でも、社長の信念は強かった。もう台詞を書くまでも無く(と言うかあの迫力は私の文筆では書けない、とにかく脅しである)すごい勢いで、とにかく送れとすごんだのである。
「今から送るってよ。」社長は電話を切って言った。
「え!◎◎送ってくれるんですか?」
「俺が言うんだから当然だろ」
やがて、5分後くらいにピロピロピロ~っとFAXが入ったのである。
「ほらみろ。sake君が言ってもダメだけど、俺だと送るんだよ。社長が自分の会社に送れって言うのだから、間違いないだろ。相手によるんだよ。」
「えっ・・・。」
あれ?本人の確認が声だけでも大丈夫なんだっけ??^^;
「俺なら送るんだよ」
このあと、社長の機嫌はすこぶる良くなった。