きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

「裸の総理たち32人の正体」/渡部昇一さん著(3)

2019-07-11 | 読んだ本

無理しないようにしてきたつもりだが、やはりヘバーデン結節で関節が痛くなり、ピアノは週末から休んでいる。仕方ない。60代半ばになれば落ち着くと言うのを信じて、それまでは調子のいい時に練習しようと思う。

そう言うこともあって、また本を読むことにした。
料理本やお出かけ本も借りてみたけれどあまりそそられず・・・また渡部昇一さんの「裸の総理たち32人の正体」を読む。(2度目)

前回ブログに書いた「裸の総理たち32人の正体」の感想
その1(6月29日)
その2(6月30日)

渡部さんの人生論的な本は期待していたほど面白くなく、政治物の方が面白い。文章が分かりやすいし、昭和5年生まれの渡部さんは早くから政治に関心を持っていて、自身の経験と政治がつながっている。

例えば、岸さん(安倍さんのおじいさん)が首相になった頃、渡部さんは西ドイツに留学していた。西ドイツの新聞にだんだんと日本の話題が載るようになってきて、渡部さんは「今度の首相は日本にとっていい首相なのではないか?」と思い始める。

さてやがて岸首相は「アメリカとの安保改定」を目指すことになり、日本の大学生は安保反対で大混乱になったそうだ(安保闘争)。渡部さんはその安保改定の内容を読んで「この改定は日本に有利な内容で悪いことではない」と分かり、安保反対する人達に尋ねてみると、「かつてA級戦犯になった岸という人が考えたことだから」と言うばかりで内容は知らない様子。

当時教壇に立っていた渡部さんは学生達に「デモなんぞ行っちゃいかん」と言い、多数決で決まったものを暴力で解決するなんて右翼の論理じゃないか」と止め、同じ考えの先生達と共に「岸首相を励ます会」を結成し、岸首相に応援の手紙を送る。
(あまりに激しい暴力的なデモに、警察だけでは防ぎきれないと判断した岸首相は自衛隊も打診するも、長官から断られ、弟の佐藤栄作さんと2人で首相官邸に閉じこもり、死を覚悟するところまで行ったそうである。)

それから時代は下がり、昭和57年の歴史教科書で「華北へ侵略」と言う記述を「華北へ進出」と書き換えられていた・・と言う問題も実はフェイク(そんな書き換えはなかった)というのを聞き、渡部さんも細かく調べてみると、本当にそれはウソだった。。。。だからテレビ放送で渡部さんはそれを語った。(それは大反響となる)
しかし最後までウソを認めなかったのが某N○○局で、わざわざ「侵略」と書いてある教科書と「進出」と書いてあるものを選んで持ってきて、書き換えたかのように放送したそうで、渡部さんはそのN局に公開質問状を送ったそうだ。
産経新聞がやっと訂正記事を出して北京やソウルも抗議をやめたのに、どこそこのあの新聞はいつまでも教科書問題を取り上げて、その後で宮沢喜一官房長官が北京政府にゴマをすり、「教科書は周辺諸国の感情を顧慮する」と近隣諸国条約を打ち出してから、私の知っている名前はカットされ、ほとんど知らない名前ばかりの悲惨な教科書になってしまった、と渡部さんは嘆く。(例えば日韓併合に反対して死んだ韓国の少女が写真入りで日本の教科書に載っかる)

以後、日本の歴史教科書の決定権はソウルと北京に移ってしまったといわなければなりません。(原文のママ)

前にも書いたが、宮沢さん(首相時代)は、尚且つ天皇皇后両陛下に訪中をお願いしたそうで、中国では元首が中国へ行くと、それは「朝貢」とみなされ、以後その国は中国の家来とされるのが伝統なのだそうだ。だからそこで急に中国は(日本を家来だと思うようになり)態度が一気に傲慢になったそうである。(昭和天皇だったら行かなかったかも・・・)

こうして読んでいくと「そこから中国や韓国にバカにされるようになったんだなぁ」とか、今この状態になった経緯が何となく分かってくる。それゆえ安倍総理が(あの岸首相のお孫さんならば)と期待されたのも分かる。そして安倍さんがマスコミから嫌われたことや、安倍さんがまず最初に「愛国心や道徳を回復して(昔の)日本を取り戻そう」と言った意味も分かってくる。

本当はもっといろんな意見を読まなくては・・と思うけれど、日本を好きな人の書いているものの方が面白い。そして何より辻褄が合う。「それでこうなったのか」と納得できる。

だからこれが事実に近いのではなかろうか・・・・と思ってしまう。