新たな試みも道半ば
関西独立リーグの神戸に所属していたナックル姫こと吉田えり投手(17)が今季限りで退団すると発表されました。発表では「野球の指導者を目指しており、大学進学を目指すため」とされていますが、リーグの運営母体の撤退のドタバタや所属球団の監督解任、給与の支払い停止(結局は支払われるようですが)など、夢をもって入ったプロの世界で外野のドタバタに嫌気がさしたというのが正直なところではないでしょうか。
野球の底辺拡大という理念は良いと思いますが、それには前にも書いたように、野球への情熱とビジネスとして成立させる戦略とを併せもった人材か、両方兼ね備えた人がいなければ、それぞれの要素に長けた人材の連携が欠かせないですね。既存プロ球団のように企業スポンサーだけに頼るのではなく、自治体、ファンの三位一体で、なおかつ低コストでの球団運営ノウハウが必要だと思います。
時代のキーワードは地方分権
一方、NPBの混乱の中で偶然誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスは、設立当初はどこまで負けるのかという状態でしたが、今日ソフトバンクとの直接対決に勝ち、遂に2位に進出しました!クライマックスシリーズへの進出はほぼ間違いないところですが、目下の選手のモチベーションは、2位に入りクライマックスシリーズの第1ステージを仙台のファンの前で行うことのようです。
正直なところオリックスと近鉄が合併した後の「残り物」選手で編成したチームが、ここまで来たのは、選手のがんばりはもちろんのこと、やはり仙台のファンの後押しがあったればこそでしょう。
伝統ある横浜ベイスターズが最下位にあえぎ、いいとこ獲りしたはずのオリックスもけが人が多かったとはいえ最下位です。それに対して、大都市から地方に本拠地を移した日本ハム、楽天、ソフトバンクは元気ですし、元々中国地方唯一のプロ球団広島はチーム運営の工夫はありますが、黒字経営を続けています。
政治の世界でも、地方分権が言われていますが、野球界の活性化、底辺拡大にもこの辺にヒントがあるのではないかと思います。