今日は運命のドラフト会議の日でした。今回のドラフトの目玉は言うまでもなく、花巻東の菊池雄星投手であり、最初から指名しないとした巨人、広島を除き、9球団が1位指名ではと言われましたが、キチンレースから降りたのか、戦略か、3球団が降りて6球団競合となり、西武が指名しました。個人的には東北の星として楽天に入ってほしかったですが、八王子から一番観に行きやすい球場は西武ドームなので、楽しみが一つ増えたとも言えます。目は既に遠い先を見ている感がありますが、どこまで怪物ぶりを示してくれるか楽しみですね(ドラフト前の密着取材で彼を知れば知るほど心構え、取組姿勢には感心することばかりです。これで活躍出来なかったら、野球の神様っているのかと思うほどです)。
その他、巨人は猛烈なアタックにほだされてホンダの長野外野手を、広島はセンバツ優勝投手の清峰・今村猛投手、ソフトバンクは明豊(獲得を逃した城島の母校の旧別府大付属)の今宮健太内野手、横浜も地元横浜高の筒香内野手と、地縁やゆかりのある選手の指名もありました。プロですから、いずれ別のチームに行くこともありますが、地域密着も一つの大事な要素であり、彼らが実力+αの存在になれるかもどうかも注目です。
ドラフトというと、1位指名でも半分くらいは知らない選手だったりします。それもそのはず、素人の私たちは、せいぜい甲子園の高校野球や六大学のスター選手くらいしか実際に目にする機会はなく、私たちが知っている選手ばかりだったら、プロのスカウトなど必要なくなるわけですからね。こうしたいわゆる無名選手たちの今後も期待ですね。
それから期待と言えば、もう一つ、過去の反省から育成に重点を置く巨人は、今年も育成枠で5人を獲得し、その中には独立リーグの信濃グランセローズの選手がいました。他にも、ドラフト・育成で信濃1名、福井1名、香川1名、長崎1名、徳島1名と独立リーグから着実にプロ入りするようになりました。今年、関西独立リーグがドタバタを演じましたが、今やしっかりしたルートになりつつあるのですから、関係者は心してリーグも育ててほしいですね。また、こういう独立リーグの選手や球団を育てるのは、ファンであり、地域でもあります。こうした独立リーグの地域やファンに、恩返しをするような取り組みをNPBが率先してやってほしいものです。
これまでも何度も言っていますが、日本の野球を強くするには、プロだ、アマチュアだ、NPBだ、独立リーグだということではなく、オール・ジャパンで取り組むことが欠かせません。ライバルは、井戸の中のそれぞれの野球連盟ではなく、サッカーやその他のスポーツでしょうし、メジャーリーグなどだからです。
華やかなドラフト会議の裏では、指名されずに涙した選手もいると思います。小学生、中学生、高校生となるに従い、どんどん「夢」を見ることすらかなわなくなる選手が増えていく中、指名候補となるまで行った選手は、「夢」へあと一歩であり、本当に悔しかったり、途方にくれたり、悩みに悩むところだと思います。そういう「夢」への激しい情熱の中から、ひとを感動させるプレーも生まれてくるのでしょう。
しかし、この「夢」はすぐそこにあるように見えて、実はほんのちょっと届かないような遠いものであり、自分の身の回りにそんな選手がいたら、気軽に「夢」を諦めるな、「夢」を追い続けろなんて言えないと思います。最後は、やはり自分自身がどこまで強い気持ちを持っているかなのでしょうね。いつかは、散ドラ諸君の中からも、こんな「夢」を最後まで追いかけるような選手が出てくるでしょうか…?!
がんばれ!!未来のプロ野球選手!