とは、子どもの頃に教えられる人としての常識です。
それを、一国の首相が嘘は言っていないと釈明することが、何度となく繰り返されています。
今話題になっているのは、原発事故の初動段階で、淡水が底をつき東電が海水注入をしたことに対し、菅首相が待ったをかけたのではないかという件です。生半可な知識で再臨界を心配した菅首相が斑目原子力安全委員会委員長に諮り、「再臨界の可能性がないとは言えない」云々という御用学者らしいあいまいな発言に影響され、東電に(中止しろとの命令と思えるような)「確認」をしたという件です。
しかし、今日になって、東電本店サイドは中止するように指示したものの、現場の所長の判断で海水の注入は続けていたとのことです。まさしく「事件は会議室で起きているんじゃない」を地でいく判断で賞賛されることかと思いきや、東電は処分も検討しているとのことです。馬鹿も休み休みにしてほしいものです。
そして、現場の判断はいいとしても、それが事前に把握されず発表したことがいとも簡単に覆るというのは、野党にとやかく言われるまでもなく、一体何が信じられるのかと言われても、反論のしようがありません。そもそも、初動段階での菅首相の視察問題や、海水注入中止問題、東電に乗り込んでの恫喝問題など、言い訳、弁明する場面ばかりですが、ここにまったくの嘘がないとはどう考えても思えません。
首相に間違ってはほしくはありませんが、百歩譲って人間だから間違いはあると認めましょう。であるならば、その時は、少なくとも間違いを糊塗せず、嘘をつかず、間違いを認めてほしいと思います。
しかし、フランスで行われているサミットで、「1000万戸に太陽光パネルの設置を目指す」という途方もないビジョンを発言したようです。この施策自体は、私は大いに賛成です。しかし、そのためには、今以上の補助金の投入による導入促進が必要ですし、ただでさえ悪化の一方をたどる財政赤字の問題解決も迫られる非常に難しい課題です。
そこまで覚悟しての発言したのか、「私話す人、官僚実行する人」ということで、自分がやる覚悟なく、官僚たちにやれと恫喝するだけなら、それはやはり「嘘」になるのではないかと思います。
残念ながら、私自身は菅首相の言葉はまったく信用できなくなっているので、まったくの「嘘」だと思っているのですが、本当に今こそ政治家の「言葉」の信頼性が大切な時期はないと思います。
お願いだから、自分の言葉に責任を持つ人が、この難しい時期の舵取りをしてほしいものです。