昨日、往路優勝した東洋大ですが、復路もリードを守るのではなく、さらに差を広げていこうという、鬼気迫る、すさまじい走りで圧勝です。昨年の21秒差での負けという挫折が、これほどの力を生んだのでしょうが、本当に試練をここまでの力に変えるとは見事の一言に尽きます。往路新記録、復路新記録、総合新記録の完全無欠の完全優勝でした!
昨年、5区で柏原が逆転して稼いだリードを早稲田・高野の力強い走りで奪われ、逆に逆転をされた6区の市川は、その悔しさをバネにしてきたことが見ているものにも分かる執念の走りで、区間賞を獲得し、さらにリードを広げました。
7区の設楽は、ひょうひょうとした走りながら何と区間新記録でさらにリードを広げ、8区大津ももう少しで区間新の区間賞でさらにリードを広げました。3区間連続区間賞の圧巻の走り(往路からは5区間連続)で、何と戸塚中継所では、東海大・上武大・日体大の3校が繰り上げスタートとなってしまいました。昨日も往路新の走りで、13チームを繰り上げスタートにしたため、もう見た目の順位と本当の順位がぐじゃぐじゃでまったく分かりません。それもこれも、東洋大の強さゆえです。
9区の4年生田中は2年連続区間賞をとっている実力者ですが、それまでの3区間と違って、監督かの指示もあってゆっくりしたペースでした。しかし、ペースをあげなければいけない18km過ぎに脇腹を叩くなどトラブルが起きて心配されましたが、たいしたブレーキにもならずに無事に襷をつなぎました。区間賞をとった昨年より1分20秒も遅れましたが、トラブルにもかかわらず安定した走りでした。
しかし、こうなってくると、復路優勝や総合新記録などが心配になってきます。10区の3年生斎藤は初めて走る駅伝が、箱根が最終区です。緊張しないわけがないと思いますし、早い段階から腕を回したり、顔を前後させたり苦しそうな表情になり、ますます心配になります。しかし、そのままずっと粘り続け、それが常態ではないかと思わせる粘りの走りで、何と区間賞をとって、9区で縮まった差を元に戻しての優勝でした。
6区 市川 区間1位
7区 設楽 区間1位(区間新)
8区 大津 区間1位
9区 田中 区間6位
10区 斎藤 区間1位
と、10区間で6人が区間1位、特に、最終区の予定していた4年生をはずし下級生中心にした復路については、5区間中4人が区間1位と圧巻でした。そして、そのうち2人は初駅伝です。まさに「柏原の大会」から、「東洋大の強さを見せつけた大会」というところを見せ付けました。見事の一言です!
去年のようなシード権をめぐるドラマはありませんでしたが、往路の東京農大の大ブレーキや、一人ひとりの選手にとっては選手の数だけドラマがあったと思います。来年も熱い走りを期待したいですね。