のちに「嵯峨野名月記」を著す辻邦生の初期の作品である。手許にあるセピア色に変色した文庫本(新潮文庫)は、初刷を昭和47年4月と記している。第4刷を購入しているのだが昭和50年頃の事だろう。信長を主人公とし、宣教師を送り届ける為に渡来したジェノバ生まれの船乗りを語り手としたこの著作は、視点が変わるとこんなにも斬新な作品になることを教えてくれた。
立花京子の信長も又、かっての研究者や小説家とは違う視点で捕らえられていて、なるほどと頷いている自分に気付き、良い著作に巡り合った幸せを感じている。
そして「安土往還記」を、ひさしぶりに書棚から引っ張り出させてくれた。
立花京子の信長も又、かっての研究者や小説家とは違う視点で捕らえられていて、なるほどと頷いている自分に気付き、良い著作に巡り合った幸せを感じている。
そして「安土往還記」を、ひさしぶりに書棚から引っ張り出させてくれた。