「平成肥後国誌」の編著者・高田泰史先生から、先生の「肥後武将の源流」という著書をご恵贈給わったことがある。
すごい乱丁の本で、数ページ印刷が飛んでいて白紙のみとなっている。
先生は該当ページをこぴーされて、ハサミで切ってこれを糊付けされた。残部がないからとそんな本を頂戴したのである。
もう10数年以上前のことだが、そんな本だからこそ私には貴重この上ない財産になっている。
後に熊本史談会の若い友人・N君が古書籍店に在りましたからといって、本来の体裁の本を手に入れてくれたから、私はこの本を二冊所蔵している。
表紙には甲斐青泙の勇ましい「託麻原戦之図」が利用されている。
この絵そのものを高田家で所蔵しておられたようだ。高田先生が亡くなられた後、N君は膨大な遺品の整理をかって出て、高田家のご遺族の力に成った。
その後この絵は古書籍店に売り払われたようで、それをN君が見つだし、なんとそれを購入したのである。
昨日の史談会にN君がこれを持ち込んで、会場でお披露目した。良成親王・菊池氏 VS 今川了俊の戦が繰り広げられた「託麻ヶ原」は、まさに私が住んでいる地域であるから、少々の感慨もある。
N君が高田先生の最後の弟子を自認して共にすごした数年間は濃密なもので、今は先生の遺蹟の顕彰を一人黙々と続けている。
「託麻原戦之図」も、とても人の手にわたるのは耐えられないことであったのだろう。
共に高田先生の薫陶を受けた者として、彼の積極的な行動に感じ入っている。感謝。
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