津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

お理(檻)の中

2006-02-10 20:07:56 | 書籍・読書
 昨日に続いて、勝小吉のこと。
余りにも身持ちが悪い小吉は、父親の手によりお理の中(座敷牢)に入れられた。
21歳の秋から24歳の冬までというから、二年数ヶ月の長きに渡っている。
22歳の時、麟太郎(海舟)が生まれている。そんな中で手習いをしたらしい。写真で見る小吉の文字はなかなかのものである。本も沢山読んだのかもしれない。お理を出た後も、仕官も出来ず刀之見立てなどをして、渡世をしている。坂口安吾が小吉を評価するのは、小吉が達観した「いつでも死ねる」というその魂である。安吾に言わせれば、武蔵にはそれが無かったという。「死なぬためにはどうすればよいか」武蔵はそればかりを考えていた、と手厳しい。

 ホリエモンは檻の中から、百科事典の差し入れを頼んでいるという。
小吉のお理の廻りには、友達が駆けつけて賑やかであったらしいが、ホリエモンのお相手は取り調べ官ばかりである。百科事典を読んで、何を考えるのだろう。小吉ほどの人間として蘇ることが出来るのだろうか。
コメント
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