19世紀にネガ・ポジ法「カロタイプ」を発明したウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットは、英国のレイコックという村に住んでいた。現在、レイコックには、タルボット博物館や、彼の墓がある。博物館には、有名な箒の写真をはじめ、タルボットが村で撮った写真や使った機材が展示してあって面白い。
レイコックはロンドンから西へ電車で数時間、チッペナム駅からタクシーで少し行けば到着する。なお、バスはあまり当てにならない。帰りの便はなおさらなので、行きのタクシーにカードを貰っておくとよいと思う。公衆電話は、タルボットの墓がある墓地の近くにある。
ナショナル・トラストに指定された本当に美しい村である。被写体も、人、猫、教会、自然、家々、牧場などたくさんある。ロンドンに遊びに行かれる方は、日帰りで行ってみることをおすすめしたい。私も、ぜひ、もう一度訪れたいと思う(行けないかもしれないが)。
写真の歴史を追体験して、自分もネガで写真を撮ってみて、帰国してからプリントしたりすると、こんなに便利で品質の高い写真が撮れるのに、なぜデジカメが必要なのかと、正直思ってしまう。
ところで、日本人撮影の最古の写真は、薩摩藩主・島津斉彬がモデルとなっているが、これはカロタイプと同時期にフランスで発明されたポジ・ポジ法、「ダゲレオタイプ」によるようだ。
タルボットの墓 Leica M3, Summicron 50mm/f2.0, T-Max400, Agfaマルチコントラストクラシック
レイコックの小川 Leica M3, Summicron 50mm/f2.0, T-Max400, Agfaマルチコントラストクラシック