Sightsong

自縄自縛日記

「けーし風」読者の集い(2)

2007-07-29 08:56:59 | 沖縄
神保町の「書肆アクセス」が、2007年11月にお店をたたむそうだ。地方出版の本を専ら扱う書店は他にない。お店の方も残念がっていた。私も残念。

==========

『けーし風』読者の会に参加してきた(2007/7/28、千代田パークサイドプラザ)。参加者は10人くらい。

第55号の特集は「沖縄がつながる」。エクアドル、フィリピン、グアム、韓国など、米軍や自国の基地に関して撤廃を目指す動きがあるところの声をまとめたものになっている。

このような個々の動きは、一部を除き、おそらくあまり知られていない。つまり、マスメディアが「マス」に提供する情報の拾い方が「マス」となっていないということができる。

このことは、各地の声として挙げられている。

もっとも深刻なのは、フィリピンのメディアがこの問題を報道しないことです。ミンダナオは首都マニラとはとても離れています。ミンダナオで実際に起こっていることは、そこに住んでいる人たちに直接聞かない限りわかりません。中央の新聞やテレビにはほとんど出てきません。そこは沖縄と共通しているように感じます。沖縄のことも、中央のメディアでは報道されていませんね。」(アジア平和連合のコラソン・ファブロス氏、30頁)

さらに、中南米ではエクアドルでの動きだけでなく、ヴェネズエラ、ボリビア、コスタリカ、ニカラグア、ブラジル、チリ、アルゼンチンなど、程度の差こそあれ、米国の介入を否定する政権が次々と誕生している。これが日本で報道される場合には(報道そのものが少ないのだが)、「反米」「左翼政権」との強調がなされる。当事国の中だけでなく、クロスボーダーの課題についてもメディアに問題が見られると思う。

というような、メディアの問題を提起した。それに関して、「ねじれ」の問題として、座間で活動されている方からは、「座間と相模原はお隣ながら温度差がある。さらに岩国など国内と連携すべきだが、なかなかうまくはいかない。それよりは海外の話になってしまう」との発言があった。シーズのゆるやかな連携は、顔がどれだけ見えるか、そのお互いの距離感によって難しい点もあるということだった。

後半は、上原信夫さんのお話。今号でも、「荒廃した沖縄で政治活動に奔走」というインタビュー記事になっている。上官から反軍行為を理由に「死刑」を宣告されるものの難を逃れ、戦後沖縄に戻って沖縄民主同盟などの活動をしてきたころの話であり、実にもう凄い話が出てくる。記事もごく一部のピックアップだそうだが、このあたりはまずは記事を読んでいただくほかはない。

その他

●出たばかりの『基地の島・沖縄からの問い―日米同盟の現在とこれから』(新崎盛暉、創史社)を持ってこられた方がいたので一部購入した。→感想

●8月3日(金)18:30より、『消えた鎮守の森』上映会と井原勝介・岩国市長のお話が、三鷹市市民協働センターで行われるそうだ。時間が許せば足を運びたい。→行けなかった

●出席者のご好意で、ドキュ『ナツコ・沖縄密貿易の女王』を貸していただいた。後日、奥野修司氏の著作とあわせて感想を書くつもり。