ペン先がスティールの万年筆は、金のものに比べれば、まるで柔らかくはなくてサリサリの書き味である。うまくいけば、油性やゲルインクのボールペンよりも快適に、しかも精細な字を書くことができる。しかし、当たりはずれがあるようだ。
ファーバーカステル(ドイツ)の「ルーム」。つくりが細やかで、キャップが尻に気持ちよくはまる。書き味もなかなか。
ラミー(ドイツ)の定番「サファリ」。大きなクリップや面落としした軸など、モダンデザインそのものだ。
すぐにかすれたりしてあと少しでゴミ箱行きだったが、ペンクリニックで診てもらったところ、かなり改善された。
無印良品の千円のアルミ製万年筆。「シンプル・イズ・ザ・ベスト」とはこのことか。つるつる書けて悪くない。ただ、やはりつくりは今ひとつで、キャップを尻にすっきりはめることができない。どうやらOHTOのOEMらしい。ペン先はドイツ・シュミット製。
『サライ』2012年5月号の付録。気がついたときには雑誌が書店から姿を消していて、ネットオークションにて数百円で入手した。ペン先に「HERO」の文字があり、中国の英雄製だとわかる。いまは、ラバンのインク「ビルマの琥珀」を入れ、手帳に仮の用事を書き入れるときなどに使っている。
これもつくりが粗雑で、すぐに軸のネジがゆるむ。また、突然インクが漏れ、大変な思いをした。
『Goods Press』2013年1月号の付録。味もそっけもないが、見た目以上の出来。中国製。
これは吃驚、『MonoMax』2013年1月号の付録は、COACHの万年筆。クリップが根元から動くなど、よくできている。
もう鉄ペンは要らないかな?
●参照
○万年筆のペンクリニック
○行定勲『クローズド・ノート』(万年筆映画)