Sightsong

自縄自縛日記

スクール・デイズ『In Our Times』

2012-12-28 08:27:46 | アヴァンギャルド・ジャズ

スクール・デイズとは、ケン・ヴァンダーマークらシカゴの2人と、ポール・ニルセン・ラヴらオスロの2人とが名乗ったグループである。当時別に注目しておらず、それというのもヴァンダーマークがシカゴの重鎮、故フレッド・アンダーソンと共演した録音を聴いて、何か勢いだけの暑苦しいサックス吹きだと思い込んでいたからだ。

そんな印象が変わってきたのは割に最近のことで、やはり予断はよくない。

『In Our Times』(2001年)は不思議な盤で、聴けば聴くほど聴きどころが出てくる。

Ken Vandermark (reeds)
Jeb Bishop (tb)
Kjell Nordeson (vib)
Ingebrigt Haker-Flaten (b)
Paal Nilsen-Love (ds)

1曲目からいきなり猛然と攻められるのだが、そればかりではない。

例えばビル・エヴァンスの曲「Loose Blues」では、クラリネットのヴァイブのデュオが静かで、また不穏でもある。途中からトロンボーンが、そして次にベースとドラムスとが入ってきて快感を覚える。

ヴァンダーマークのサックスの暑苦しさにうまく味を加えているのは、トロンボーンであり、そして決定的にヴァイブだろうと思える。ぜひヴァイブを帯同したグループで再来日してほしい。

●参照
ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン
4 Corners『Alive in Lisbon』(ヴァンダーマーク、ニルセン・ラヴ参加)
ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(ニルセン・ラヴ参加)
ジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(ヴァンダーマークがインタビューに答える)
横井一江『アヴァンギャルド・ジャズ ヨーロッパ・フリーの軌跡』(ニルセン・ラヴに言及)