スクール・デイズとは、ケン・ヴァンダーマークらシカゴの2人と、ポール・ニルセン・ラヴらオスロの2人とが名乗ったグループである。当時別に注目しておらず、それというのもヴァンダーマークがシカゴの重鎮、故フレッド・アンダーソンと共演した録音を聴いて、何か勢いだけの暑苦しいサックス吹きだと思い込んでいたからだ。
そんな印象が変わってきたのは割に最近のことで、やはり予断はよくない。
『In Our Times』(2001年)は不思議な盤で、聴けば聴くほど聴きどころが出てくる。
Ken Vandermark (reeds)
Jeb Bishop (tb)
Kjell Nordeson (vib)
Ingebrigt Haker-Flaten (b)
Paal Nilsen-Love (ds)
1曲目からいきなり猛然と攻められるのだが、そればかりではない。
例えばビル・エヴァンスの曲「Loose Blues」では、クラリネットのヴァイブのデュオが静かで、また不穏でもある。途中からトロンボーンが、そして次にベースとドラムスとが入ってきて快感を覚える。
ヴァンダーマークのサックスの暑苦しさにうまく味を加えているのは、トロンボーンであり、そして決定的にヴァイブだろうと思える。ぜひヴァイブを帯同したグループで再来日してほしい。
●参照
○ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン
○4 Corners『Alive in Lisbon』(ヴァンダーマーク、ニルセン・ラヴ参加)
○ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(ニルセン・ラヴ参加)
○ジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』
○ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(ヴァンダーマークがインタビューに答える)
○横井一江『アヴァンギャルド・ジャズ ヨーロッパ・フリーの軌跡』(ニルセン・ラヴに言及)