ニコラス・レイ『太平洋作戦』(1951年)を観る。レイ初期の作品である。ブックオフで105円だったが、画質はそれなりだった。
米軍海兵隊は、ソロモン諸島のガダルカナル島の戦いに向かう。新たな司令官(ジョン・ウェイン)はひたすら厳しく、自らの作戦実行のためには、部下が戦死することも厭わない。しかし実は心の優しい男だという設定(それ自体が矛盾に満ち満ちているのだが)。一方、司令官に昇格できなかった大尉(ロバート・ライアン)は、部下に優しく人気があり、そのためにリーダーシップ欠如という評価をくだされている。
司令官と大尉との不和、憎しみ合い。唐突に挿入される、司令官と家族との触れ合い。再度組んだ戦場での、ふたりの歩み寄りと、大尉のリーダーとしての成長。ガダルカナル戦の実写フィルムが使われているのも、当時の映画としては、迫真性を増している。
見所は、まあ、そんなところである。
演出が少し奇妙で面白くはあるが、このように、好戦的で、自国の都合だけを前面に押し出し、体育会的でもあるような映画は、まったく好きになれない。ジョン・ウェインとロバート・ライアンという組み合わせも、ひとつの典型である。
ああ、いやだいやだ。