Sightsong

自縄自縛日記

ボビー・プレヴァイトの映像『Live in Japan 2003』

2014-04-13 13:32:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

400円くらいと安かったこともあって、ボビー・プレヴァイトのDVD『Live in Japan 2003』(Word Public、2003年)を入手した。

Bobby Previte (ds)
Jamie Saft (key)
Skerik (sax)

2003年、川崎のクラブチッタでのライヴ。画質がさほど良くない上、ほとんどの部分で左右にニ分割されているため、ディテールがあまり見えない。しかし、まあ、それは大した問題ではない。

小気味よく、気持よさそうに叩いているなあ、という以上に、プレヴァイトのドラミングに対する感想がない。おそらくこういうものは、ライヴ会場で体感するか、ずっと聴き続けないと、身体の内部に入ってこないものだ。誰か、このあたりがプレヴァイトのツボなんだよと教えてくれると嬉しい。

バンド全体としては、だらだらと聴いて体感するのに最適(褒めている)。ジェイミー・サフトのキーボードが発するさまざまなノイズ音やベース音。変態じみたスケーリックのサックスとエフェクターと叫び。ライヴ会場ならばなおよかった。来日しないかな。


マックス・ローチの映像『Live at Blues Alley』

2014-04-13 10:43:37 | アヴァンギャルド・ジャズ

マックス・ローチのDVD『Live at Blues Alley』(ゲイリー・キーズ、MVD visual、1981年)を入手した。

Max Roach (ds)
Cecil Bridgewater (tp)
Odeon Pope (ts)
Calvin Hill (b)

このときローチは既に50代後半。終始ニコヤカにしながらも、叩きだすドラミングの音は紛れもなくローチのものだ。一糸乱れぬ組体操を次々に決めるというか、端正なるEXILEというか、複雑極まる積み木を一気に積み上げては壊す感覚というか、あるいは「ピタゴラスイッチ」の快感というか(違う?)。

こうなるとほとんど伝統芸能なのだが、何しろ、これはローチ自らがイノヴェーターとして開拓したスタイルなのである。勿論、モダンジャズは何も1940年代にゼロから生まれたわけではない。このライヴでも、ローチは、最後に、ハイハットだけを使い、先輩のパパ・ジョー・ジョーンズへの敬意を示すドラム・ソロを披露する。それでも、両者には大きな時代とスタイルの差がある。

セシル・ブリッジウォーターのトランペットは知的かつ熱い。ローチとの相性が抜群であったことが納得できる演奏だ。オデオン・ポープの音割れを特徴としたようなサックスも、中音域で柔軟に攻めるカルヴィン・ヒルのベースも良い。

それにしても、シンプルな演奏スタイルで、余裕を持って、この迫力。ジャズそのものを大きく革新するのに参加していた40-50年代、時代への怒りをジャズとして昇華していた60年代の演奏も、機会があればぜひ観てみたい。

●参照
マックス・ローチ+アブドゥーラ・イブラヒム『Streams of Consciousness』
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(マックス・ローチとのデュオ『Historic Concert』を収録)