Sightsong

自縄自縛日記

内山田洋とクール・ファイブ『ゴールデン★ベスト』

2014-04-30 23:47:15 | ポップス

先日乗った飛行機のヴィデオプログラムのなかに、『歌のトップテン』があり、あまりの懐かしさにリピートまでして観てしまった。

番組には、内山田洋とクール・ファイブも登場。ふと自問自答した。「あれ?内山田洋・・・前川清・・・???」 そう、似ているふたり、ではない。内山田洋とクール・ファイブのヴォーカル担当が前川清なのであり、バンマス内山田洋は童顔のギタリストである。混乱したじゃないか。

何を今さら、じっくりと「恋さぐり夢さぐり」を聴いたわけだが、これが痺れる。前川清は、直立不動で、歌う前におもむろにマイクをすっと口の前に持ってきて、悠然と、しかも熱く歌う。他のメンバーによるサックスやハモりもまた良い。そんなわけで、忘れられず、ベスト盤を購入した。毎晩のように聴いては、なにものかに対して恥じらっている。

何しろ、「恋さぐり夢さぐり」だけでなく、「そして、神戸」、「長崎は今日も雨だった」、「噂の女」、「東京砂漠」など、いい曲揃いである。こっそり練習して、今度カラオケで歌ってみようかな。これでわたしも立派なオッサン。

それにしても、前川清の声は素晴らしい。憂いものびやかさもある。昔は、志村けんや欽ちゃんにツッコミを入れられるとぼけたオッサンとしか思っていなかった。

ところで、前川清のオフィシャルサイト「清にゾッコン!」がなかなか愉しい。物販サイト「KIYOSK」(笑)には、「長崎は今日も飴だった」という飴が売っている(笑)。


大西裕『先進国・韓国の憂鬱』

2014-04-30 07:52:09 | 韓国・朝鮮

大西裕『先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化』(中公新書、2014年)を読む。

韓国は格差社会だと言われる。本書の分析によると、確かに、高齢者の貧困とワーキングプア問題が大きい。また、働く意思を持たない若者も多い。

民主化以降の歴代大統領の政権が、福祉問題を放置していたわけではなく、むしろ積極的に取り組もうとしていた。しかし、それが、アジア通貨危機やリーマンショック、財政不足、イデオロギーの対立、既得権といった高すぎる壁によって、成果をあげることができなかったというのが、実状のようなのである。

とはいえ、韓国は、英米における「働かざる者食うべからず」(=脱商品化のレベルが低い)型の「自由主義」モデルから、市民に手厚く(=脱商品化)、かつ階層によらず平等に福祉サービスを提供する北欧型の「社会民主主義」モデルへとシフトしてきているという。これを、脱商品化を指向してはいるものの、福祉のサービスレベルが職業によって異なる「保守主義」モデルと比較すると、日本と韓国は両モデルの間に位置し、韓国が前者寄り、日本が後者寄り。

なぜか。それは、韓国において職業の流動性が極めて高く、自分自身の帰属する職業の既得権を守ろうとすることに、さほど熱心でないからだという。つまり、日本のように、抵抗組織としての経団連・業界団体やJAといった模式が成り立たないということになる。これには驚かされた。

であるからこそ、米国とのFTAや、最近ではTPPへの参加に熱心なわけである。これが社会として良いものかどうかは別として。

●参照
金浩鎮『韓国歴代大統領とリーダーシップ』