Sightsong

自縄自縛日記

ポール・モチアン『The Windmills of Your Mind』

2016-02-05 07:53:55 | アヴァンギャルド・ジャズ

ポール・モチアン『The Windmills of Your Mind』(Winter & Winter、2010年)を聴く。

Paul Motian (ds)
Bill Frisell (g)
Petra Haden (vo)
Thomas Morgan (b)

モチアンのフレキシブルなドラムスはいつも通りなのだが、ここでは、主役をビル・フリゼールとぺトラ・ヘイデンに譲っているように聴こえる。

かつて、フリゼールとゲイリー・ピーコック(ベース)のデュオ盤『Just So Happens』があった。それは<アメリカ>への郷愁感を強烈に押し出したもので忘れがたいのだが、ここでも、フリゼールのたゆたうギターと、カントリーのようなヘイデンの素朴な声も相まって、やはり<アメリカ>なのだった。<古き良き>なのか、それは永遠に到来しない過去なのか、自分のくにではないのでよくわからないのだが。

ぺトラはチャーリー・ヘイデンの娘。そのせいかどうか、トーマス・モーガンのベースもヘイデンのようにゆっくりと響きを残している。

●参照
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』
ポール・モチアンのトリオ
テザード・ムーン『Triangle』
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』
ベン・モンダー『Amorphae』
ビル・マッケンリー『Ghosts of the Sun』
ジェリ・アレン+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Segments』
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』
ゴンサロ・ルバルカバ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』
70年代のキース・ジャレットの映像
キース・ジャレットのインパルス盤
ビル・エヴァンス『The Complete Village Vanguard Recordings, 1961』

 


浅川マキ『スキャンダル京大西部講堂1982』

2016-02-05 00:49:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

突然出てきたライヴ録音盤、浅川マキ『スキャンダル京大西部講堂1982』(pignose records、1982年)を聴く。

浅川マキ (vo)
近藤等則 (tp, toys)
本多俊之 (as, fl)
渋谷毅 (p)
飛田一男 (g)
川端民生 (b)
つのだひろ (ds)

時期としては、同じ年の『マイ・マン』と『CAT NAP』との間。そして言うまでもないメンバー。

公表を前提とした録音なのかどうかわからないが、そのあやうさが妙な臨場感を生み出している。マキさんがその辺で猫背で蠢いているようだ。実は亡くなったというのは真っ赤なウソで、マキさんはまだどこか都会の片隅で生きているのではないか。聴いていると没入しすぎて、ドキドキして、冷静さを失う。笑ってしまいそうな泣いてしまいそうな。

●参照
浅川マキ『Maki Asakawa』
浅川マキの新旧オフィシャル本
『浅川マキがいた頃 東京アンダーグラウンド -bootlegg- 』
『ちょっと長い関係のブルース 君は浅川マキを聴いたか』
浅川マキが亡くなった(2010年)
浅川マキ DARKNESS完結
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(浅川マキとの共演、2002年)
浅川マキ『闇の中に置き去りにして』(1998年)
浅川マキ『アメリカの夜』(1986年)
浅川マキ+渋谷毅『ちょっと長い関係のブルース』(1985年)
浅川マキ『幻の男たち』 1984年の映像
浅川マキ『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏家たちのOKをもらった』(1980年)
オルトフォンのカートリッジに交換した(『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏者たちのOKをもらった』、1980年)
『恐怖劇場アンバランス』の「夜が明けたら」、浅川マキ(1973年)
宮澤昭『野百合』(浅川マキのゼロアワー・シリーズ)
トリスタン・ホンジンガー『From the Broken World』(浅川マキのゼロアワー・シリーズ)