Sightsong

自縄自縛日記

ダニー・マッキャスリン『Beyond Now』

2016-10-12 23:54:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダニー・マッキャスリン『Beyond Now』(Agate、2016年)を聴く。

Donny McCaslin (ts, fl, alto fl, cl)
Jason Lindner (key)
Tim Lefebvre (b)
Mark Guiliana (ds)
Jeff Taylor (vo) (2)
David Binney (additional syn, vo) (5 and 9)
Nate Wood (g) (2)

これまでのレギュラー・グループでもあり、またデイヴィッド・ボウイ『★』のサウンドを形成したグループでもある。

エレクトロニカをベースとしたNYのジャズであり、ときにフォーク的、ときにアンビエント的、また亡くなったばかりのボウイをカバーしてもいる。サックス、キーボード、ヴォーカル(デイヴィッド・ビニーも!)が絡んでゆくサウンドが異常に気持ちよく、ほとんどこれは麻薬である。確かに思い出してみれば、パット・メセニーのグループにおいてペドロ・アズナールの参加がもたらした楽園感にも通じるものがある。

それにしてもマッキャスリンのサックスは完璧にコントロールされているように聴こえる。かなりシームレスに吹き続け、音色の綾も、フラジオでの変化も素晴らしい(迫力を出すためにこけおどしでフラジオ域に突入するデイヴィッド・マレイとはえらい違いだ)。キーボード的でもあるのかな。

そして、パラレルに複雑怪奇なビートがひとりの身体から放たれる、マーク・ジュリアナのドラムス。

●ダニー・マッキャスリン
デイヴィッド・ボウイ『★』(2015年)
ダニー・マッキャスリン@55 Bar(2015年)
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)
フローリアン・ウェーバー『Criss Cross』(2014年)

●マーク・ジュリアナ
マーク・ジュリアナ@Cotton Club(2016年)
デイヴィッド・ボウイ『★』(2015年)
ダニー・マッキャスリン@55 Bar(2015年)
マーク・ジュリアナ『Family First』(2015年) 
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
グレッチェン・パーラトの映像『Poland 2013』(2013年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)