メイシー・グレイ『Stripped』(Chesky Records、2016年)を聴く。
Macy Gray (vo)
Ari Hoenig (ds)
Daryl Jones (b)
Russel Malone (g)
Wallace Roney (tp)
面子を見て吃驚。アリ・ホーニグ、ラッセル・マローン、ウォレス・ルーニー、これはコンテンポラリー・ジャズそのものじゃないか。ベースのダリル・ジョーンズにも引きかけたが、マイルス・デイヴィスと共演したベーシストの彼ではなくもっと若い人のようだ(スペルが違う)。
1曲目の「Annabelle」において、いきなり、マローンのギターが効いたカントリー・ブルースではじまる。この雰囲気は一貫していて、前作『The Way』で唄っていた「First Time」でも、やはりギターから入るしっとり感がある。もちろん、メイシー・グレイのハスキーで可愛い声もじっくり聴ける。いやイイなあ。またライヴ観たいなあ。
と言いつつ、あまりにもシンプルなつくりであり、せっかく個性的なミュージシャンたちを呼ぶのであれば、もっと野心的に暴れさせてほしかったところだ。マローンは良いとしても、ホーニグのまるで唄うようなドラミングも、ルーニーの魅力的なロングトーンもここにはほとんどない。勿体ない。
●メイシー・グレイ
メイシー・グレイ『The Way』(2014年)
デイヴィッド・マレイ・ビッグ・バンド featuring メイシー・グレイ@ブルーノート東京(2013年)
デイヴィッド・マレイ『Be My Monster Love』(2012年)
スティーヴィー・ワンダーとメイシー・グレイの『Talking Book』(1972年、2012年)
●ウォレス・ルーニー
デイヴィッド・マレイ+ジェリ・アレン+テリ・リン・キャリントン『Perfection』(2015年)
『A Tribute to Miles Davis』(1992年)
●アリ・ホーニグ
アリ・ホーニグ@Smalls(2015年)
ジャン・ミシェル・ピルク+フランソワ・ムタン+アリ・ホーニグ『Threedom』(2011年)
アリ・ホーニグの映像『kinetic hues』(2003年)