Sightsong

自縄自縛日記

与世山澄子@インタリュード

2016-10-16 09:30:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

3年ぶりに那覇のインタリュードに行った(2016/10/15)。

Sumiko Yoseyama 与世山澄子 (vo)
Masakuni Nakamoto 仲本政國 (p)

夕方、1階の喫茶で与世山澄子さんがライヴは22時過ぎだとおっしゃっていて、その22時に入ってみると、客は誰もおらず与世山さんがテレビを観ていた(前にもそんな状況があったような気が)。せっかくなのでピアニストを呼ぶとのこと、しばらく与世山さんと雑談をした。ライヴ録音はそのときのコンディションが保証できないから断ったとのこと。また、エラ、サラ、カーメン以降のジャズヴォーカルにはほとんど興味を持っていないようだった。頑固というのか強いこだわりというのか、さすがというべきか。

23時過ぎにピアニストの仲本政國さんが到着し、そのまま準備することもなく突然ソロを弾き始めた。客はわたしひとりである。やがてステージ衣装に着替えた与世山さんが出てきて、「You Don't Know What Love Is」、「Feelin' Good」、「But Beautiful」、「Smile」とあと知らない1曲の5曲を歌ってくれた。

いつもの深いヴォイスが、インタリュードの分厚いカーテンで吸音され、まるで髄だけが残って伝わってくるようだった。

与世山さんはいつも素敵な人である。やはり胸がキュンキュンしてしまった。なお今月は北九州、来月は台湾(はじめてだとか)、12月には名古屋のLovelyと南青山のBody & Soulで歌うそうだ。


かつての与世山さん


マル・ウォルドロンとの写真

Fuji X-E2、XF35mmF1.4

●参照
与世山澄子+山本剛トリオ@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ひさびさのインタリュード(2013年)
いーやーぐゎー、さがり花、インターリュード(2009年)
与世山澄子ファンにとっての「恋しくて」(2007年)
35mmのビオゴンとカラースコパーで撮る「インタリュード」(2006-07年)
2006年10月、与世山澄子+鈴木良雄(2006年)
与世山さんの「Poor Butterfly」(2005年)
田代俊一郎『沖縄ジャズロード』


中川敬@桜坂劇場

2016-10-16 08:45:01 | ポップス

那覇の桜坂劇場で、中川敬の弾き語りライヴがあるというので足を運んだ。わたしはもとよりソウル・フラワー・ユニオンを少々聴き齧った程度であり、ほとんど知らないのではあるが。

Takashi Nakagawa 中川敬 (vo, g)

いきなり森進一の「港町ブルース」を大音量でかけてステージに登壇、ジョニー・キャッシュのTシャツ。いきなり歌い始めたのは、浅川マキの「少年」、高田渡の「生活の柄」。太い声でこんなふうに変わるのか。つかみばっちりである。

歌った曲のほとんどは「ニューエスト・モデル」時代を含めたオリジナル(あたりまえか)。戦災孤児に想いを馳せた「地下道の底で夢を見てる」。奇怪な歌詞の「もっともそうな2人の沸点」。奴隷制に対抗して奴隷を北部に運ぶ「Undergrouond Railroad」について歌った「地下鉄道の少年」(JBの「Night Train」についてはスティーヴ・エリクソンも語っている)。阪神淡路大震災後に被災地でのライヴを頻繁に行い、その状況下であっと言う間に書いてしまったという「満月の夕」(いい歌!)。など。

さらにカバーも歌った。野坂昭如の「黒の舟唄」(野坂は、長谷川きよしや加藤登紀子のヴァージョンの方が売れてしまい拗ねていたという)。デイヴィッド・ボウイの「Changes」。タイマーズの「デイドリーム・ビリーバー」。ボブ・ディランの「Shelter from the Storm」。カーティス・メイフィールドの「People Get Ready」。

いちいちいい歌で、中川さんの野太く熱い声がアコギの音とともに脳内で反響する。シャベリもやたらと面白い。そして、「NO BASE やんばる!」と何度も叫んだ。この余韻がじわじわと浸透してきたころに、CDでひとつひとつの曲を味わってみよう。