The Necks『Body』(Fish Of Milk、-2018年)を聴く。
Chris Abrahams (p, key)
Tony Buck (ds, perc, g)
Lloyd Swanton (b)
トニー・バックはシンバルを多層で響かせ、実に巧みだ。不均一に零れるようなクリス・エイブラムズのピアノと相まって、誰が主導するでもない演奏が進んでゆき、いつの間にかサウンドはたゆたうような感覚のものへと突入している。
25分頃からいきなり趣向が変わりロックテイスト、意表を突かれる。微妙な変化の連続が大きな流れを創り出しており、ちょっと麻薬的なところがある。
40分頃にまた潮目が変わる。鈴の音、ロイド・スワントンの弓弾きの一方で、やはりその都度零れるような鍵盤の音が荘厳に響く。ここでも覚醒させられるシンバルワーク。音は重みをもっていくつかに分散してゆく。そして終わるときには、麻痺させられていたのだと気づくことになる。
●The Necks
The Necks@渋谷WWW X(2016年)
The Necks『Chemist』、『The Townsville』(2006、2007年)
The Necks『Hanging Gardens』(1996、99年)