千葉市立美術館に足を運び、『1968年 激動の時代の芸術』展。最終日、間に合った。
もちろん知っている作品も多いのだが、こうしてまとめて観ると、政治の季節ということよりも、新たに何かをはじめようという熱量にこそ圧倒される。今だってこういったことは出来るはずなんだよな、と思わされてしまうのが魔力か。
新鮮な発見。東松照明による新宿騒乱の写真の巧みさ(どうやら個人技ではなくチームワークの賜物であったようだが)。赤瀬川原平の『櫻画報』や『赤軍・PFLP世界戦争宣言』に漲る個人的抵抗心。北井一夫の三里塚の作品群には何度観ても貫かれる。田村彰英の基地写真の他人事感。タイガー立石の漫画が赤塚不二夫のニャロメを生み出したこと。また、タイガーへのキリコの影響。つげ義春の『流れ雲旅』の素晴らしい原画。森山大道の作品はもはや力を持っていないような印象。『PROVOKE』はかつて『The Japanese Box』で出たときに買い逃してずいぶん後悔したけれど、また再発されるからといってもう欲しくはない。菅木志雄や李禹煥が制作する姿。
横尾忠則による『新宿泥棒日記』ポスターのポストカードとヘンな魔除猫の根付を買って帰った。図録はもう要らない。