六本木のスーパーデラックス(2018/11/24)。
Matana Roberts (as)
マタナは登壇すると、来ることのできた喜びと、観客から感じるエネルギーについて早口で呟いた。そこから30分強だろうか、文字通り圧巻のアルトソロ。
彼女は呼吸のサイクルと同調させるようにアルトを吹く。息継ぎや感情を増幅させるように。そしてブロウには血や情や泥が溢れんばかりに詰まっている。そう、泥臭いのだが、エネルギッシュでクールでもある。
アルトだけではない。「Chicago... Get out my Chicago, I love it.」とルーツへの愛を呟き、また、「Something in the universe shifts...」と呟きつつ、共感する観客の声とともにドローンを創出した。これは「dedicated moments to you and me」であり、そして、「Let's celebrate life.」と。最後は「My name is Matana Roberts.」と締めくくった。痺れるとはこのことだ。しばらく忘れられそうにない。
終わってからマタナさんと少し話をした。去年NYで観たときにはその機会がなかったし・・・。
勝手に少し怖い人かと思っていたのだが、しっとりした情愛が伝わってきて、素敵な人だった。「Coin Coin」シリーズは現在3作まで出ていて、最終的には12作が目標とされている。なんと来年には第4作、その後は第7作を出して少し戻ったりもするという。楽しみだ。
間違いなくこの短くて長い時間が今年のベストライヴ。
(※対バンで他の演奏もあったのだが、呆然としていてほとんどスルーしていた。すみません。)
●マタナ・ロバーツ
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
マタナ・ロバーツ『Coin Coin Chapter Three: River Run Thee』(2015年)
マタナ・ロバーツ『Always.』(2014年)
マタナ・ロバーツ+サム・シャラビ+ニコラス・カロイア『Feldspar』(2011年)
マタナ・ロバーツ『The Chicago Project』(-2007年)
アイレット・ローズ・ゴットリーブ『Internal - External』(2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)