Sightsong

自縄自縛日記

ロバート・アルトマン『ロング・グッドバイ』

2014-02-03 22:11:00 | 北米

ロバート・アルトマン『ロング・グッドバイ』(1973年)のDVDを入手して、早速、いそいそと観た。

もう20年くらい前に、渋谷のどこだかでリバイバル上映を観て以来である。ずいぶん気に入って、その後海外amazonでもVHSを探していたが、良いものが見つからなかった。それがいまや千円。隔世の感がある。

私立探偵フィリップ・マーロウを、エリオット・グールドが演じる。実は読んでいないのだが、レイモンド・チャンドラーによる原作小説には、マーロウが可愛がる猫のエピソードは出てこないようだ。

猫が、夜中の3時過ぎに空腹で騒ぎはじめる。マーロウは、仕方ないなと言わんばかりに、24時間営業のスーパーに「カレー印」のキャットフード缶を買いに行く。しかし売り切れていて、マーロウは他の缶を買って帰り、家で「カレー印」の空き缶に詰め替える。猫は、見向きもしない。

この愉快なエピソードもさることながら、もうひとつ、マーロウ=グールドが、「猫」的な存在として描かれていることも、映画を決定的に魅力的なものにしているのではないか。マーロウ=グールドの顔や挙動は、何にもしばられない。やわらかな曲線を描いて動くマーロウ=グールドは、「猫」そのものだ。

サウンドトラックのジャズは、ジョン・ウィリアムズが手掛けている。これがまた、冗談のように映画にハマっている。やはり、ジャズには犬でなく猫か。何でかな、ニャーニャー。


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2 コメント

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Unknown (tamara)
2014-02-07 21:45:06
チャンドラーとかその辺りの小説はすべて読破しましたが、今ではまったく覚えていません。猫、ですが・・、缶に中身を詰め替えるというような人間の浅知恵は、猫にはまったく通用しませんよ。ほんの小さな丸薬を美味しい餌に混ぜても気付かれて、「フン」とそっぽ向かれてしまいます。
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Unknown (Sightsong)
2014-02-07 22:39:56
なるほど・・・、それが猫ですね。さすが猫。
いや、じつは猫を飼ったことがないのです。自分には百年早いようです。
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