仕事のついで(?)に、中野のギャラリー冬青で、渡部さとる写真展「traverse」を観た。
『旅するカメラ』、『旅するカメラ2』、『旅するカメラ3』(えい文庫)に掲載されていた写真がいくつもあった。ハッセルSWCで撮られたNY、ライカM3+ズマロン35mm/f3.5で撮られた江古田、ローライ2.8Fクセノタールで撮られたバリ島、ローライ2.8Eプラナーで撮られた米沢、タムロンの500ミリミラーレンズで撮られたモンゴル。2点以外は全部モノクロだ。
『旅するカメラ』では、モノクロはトーンの美しさだと言っていた渡部氏だが、『旅するカメラ3』では、「写らないこと」「甘さ」が良いと表現を変えている。後者についてはいまひとつ納得できない―――デジタルの、ヘンなエッジのシャープさがないことをこう表現すると勘違いしてしまいそうだ。エッジも連続性があり、それは尖っていないで鋭角でもシャープでも甘い、ということじゃないか?
この本の3部作は、カメラマンの生活や考えや失敗談を、等身大で語ってくれて、とても親しみやすい。カメラが大好き、ということも、斜に構えた某有名カメラライターとは違って、素直に読むことができる。
『旅するカメラ3』の表紙の、ライカの引き伸ばし機フォコマートもいいなあ。中古カメラ屋で見ても古いものにしか感じられなかったが、これはみるからに精密機械だ。私の安物とはえらい違いだ。
ただ、ギャラリーに展示された写真も、やはり「等身大」に感じられた。それが魅力なのかもしれないが。
そのなかでは、本には掲載されていなかったカラー写真(今回のDMや同時に出版された写真集『traverse』の表紙になっている、中国の船の写真)や、スクエアのモノクロで撮られた、木々の枝や葉から蔦が川に垂れ下がっている写真(どこだろう?)が、とても良かった。後者は、水の水平と、蔦とそれが水に映った垂直とが優しい構造を成していて、「トーン」も美しいものだった。
帰宅したら、同じ冬青社から写真集を出している上本ひとし氏より、先日のニコンサロンでの写真展「OIL2006」訪問者への葉書が届いていた。染みの写真以外も、存在感が凄くあっていいなあと改めて感じた。
『旅するカメラ』、『旅するカメラ2』、『旅するカメラ3』(えい文庫)に掲載されていた写真がいくつもあった。ハッセルSWCで撮られたNY、ライカM3+ズマロン35mm/f3.5で撮られた江古田、ローライ2.8Fクセノタールで撮られたバリ島、ローライ2.8Eプラナーで撮られた米沢、タムロンの500ミリミラーレンズで撮られたモンゴル。2点以外は全部モノクロだ。
『旅するカメラ』では、モノクロはトーンの美しさだと言っていた渡部氏だが、『旅するカメラ3』では、「写らないこと」「甘さ」が良いと表現を変えている。後者についてはいまひとつ納得できない―――デジタルの、ヘンなエッジのシャープさがないことをこう表現すると勘違いしてしまいそうだ。エッジも連続性があり、それは尖っていないで鋭角でもシャープでも甘い、ということじゃないか?
この本の3部作は、カメラマンの生活や考えや失敗談を、等身大で語ってくれて、とても親しみやすい。カメラが大好き、ということも、斜に構えた某有名カメラライターとは違って、素直に読むことができる。
『旅するカメラ3』の表紙の、ライカの引き伸ばし機フォコマートもいいなあ。中古カメラ屋で見ても古いものにしか感じられなかったが、これはみるからに精密機械だ。私の安物とはえらい違いだ。
ただ、ギャラリーに展示された写真も、やはり「等身大」に感じられた。それが魅力なのかもしれないが。
そのなかでは、本には掲載されていなかったカラー写真(今回のDMや同時に出版された写真集『traverse』の表紙になっている、中国の船の写真)や、スクエアのモノクロで撮られた、木々の枝や葉から蔦が川に垂れ下がっている写真(どこだろう?)が、とても良かった。後者は、水の水平と、蔦とそれが水に映った垂直とが優しい構造を成していて、「トーン」も美しいものだった。
帰宅したら、同じ冬青社から写真集を出している上本ひとし氏より、先日のニコンサロンでの写真展「OIL2006」訪問者への葉書が届いていた。染みの写真以外も、存在感が凄くあっていいなあと改めて感じた。