日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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2008年3月23日 工都の思ひ出

2008-03-25 22:34:16 | 鉄道・飛行機・船舶
 子供の頃は横浜駅を利用していたので、川崎駅は通過するだけだった。空は灰色で空気は何となく汚く、そして利用者は工員さんが多いせいか何となく怖い感じのする駅だった。

 横浜の市電は結構路線距離も長く、今でも立派な市電保存館があるため有名だが、川崎にも市電があったと知ったのはずっと後年のこと。JTBキャンブック等の書物も出ているが、何しろ「避けて通りたい街」だったため乗ったことはおろか、見たこともなかった。

 個人的な思い出だけでなく一般的にも地味な印象のある川崎市電だが、幸いにも一両だけ保存車両があり、天気の良さにちょっと出かけて見に行った。産業道路のすぐ近く、川崎区桜川公園という所にある。

 元々は大正製の東京都電の払い下げを受け、その後木製車体を鋼製車体に載せ替えたという中々のツワモノ。ひさしが掛けられており、保存状態はまぁ良いほうか。フェンスで囲まれており細部の観察はできない。

 モータリゼーション以前、こうした電車と乗り継ぐバスによって多くの工員が臨海部の工場に通勤し、高度成長(前夜)のニッポンを支えたはずで、そういう人たちの足音をイメージしながら車両を眺めていると、何となくしみじみしてしまった。
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萩原遼 「朝鮮戦争」(文春文庫)

2008-03-25 06:49:48 | 本・映画・展覧会
 「ジェット空中戦」で朝鮮戦争が出てきたのを引っ張り、今度はそちらの本を読んでみた。読み方がまるっきりネットサーフィンっぽいですな。実際には1つの流れをずっと追ってくのは難しく、途中で興味がどんどん枝別れして収拾がつかなくなっているのですが。

 アメリカの国立公文書館に通い詰め、総数160万ページと言う北朝鮮関連の文書を読み、分析した結果が本書に結実していると言う。南韓やアメリカの資料はこれまでにもあったが、北側の資料を仔細に調べた書物はこれが初めてと言う。その仕事を日本人が行ったことは興味深い。金日成だけでなくマッカーサーも薄汚い野郎だ!と言う痛烈な批判。

 本書の内容は基本的には上記公文書館および現地取材によるはずなので、信頼できると思う。ただし節々に出てくる金日成批判は、何に起因するのか。その点は筆者の略歴なり思想なりを確認しておく必要がある。

 ちょっとネットで調べたけど面白い!元赤旗記者で平壌に1年滞在してたり、最終的には共産党を除籍されたり…作品もだが、この人がどうしてこのテーマに興味を持って取り組んだか、どういう心境・思想の変化があったかを追ってゆくのも一興ナリ。そしてこの本を出版しているのが文藝春秋だと言うことも(本多勝一の読みすぎか…)。

 できれば中国側、ソ連(当時)側の歴史的文書を同じようにフォローした作品があって欲しいものだが、ちょっと無理だろうな。

  2008年3月22日 飲み会に向かう電車車中にて読了
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