森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユウスゲ

2014年01月27日 | 自然観察日記
昨年夏、榛名の高原に出かけました。しばらくはこの時に自然観察を行ったことをブログに書こうと思います。
7月下旬ですから、お目当てはユウスゲで、越後にはない花を見ようと出かけました。ユウスゲ(夕菅)ですから夕刻に咲きだし、翌朝少なくとも午前中にはしぼんでしまうのではと推測していました。しかし、一つや二つは残っているだろうというかなり大雑把な投槍の計画です。当日、計画を立てた時間帯にはあるのかないのかやや疑心暗鬼な面持ちで榛名湖の脇に広がる榛名の草原にさしかかります。しかし、そこに広がるユウスゲの多くの花を目にしたときは一行は大歓声で、私は内心安堵の気持ちで胸をなでおろしたものです。思いのほか多くの花がまだ十分な鑑賞に堪える状態で残っていました。もともとはこの草原は湿地環境であったと思いますが、乾燥化が進んで陸化して今に至っていると考えました。しかし、まだ草原状態で低木の進出はこれからのようですね。

ユウスゲ 花

2014年01月27日 | 自然観察日記
ユウスゲの淡い黄色がいいですね。個人的には清楚でもの悲しさを感じてしまうものですから、青春の頃のはかない夢ににも似た思い出が結びついてきます。ニッコウキスゲは至る所に大きな群落があり、またそれを売りにした宣伝が盛んになされますが、同じ仲間でユウスゲは至って控え目。その状態が私にとっては好都合で、ひっそりと自分のものにしておきたいところ。でも、結局多くの人にも紹介してしまいましたが・・・。一日花で、夕刻に開花する性質があります。それはポリネーター(花粉媒介者)に蛾などを利用しているということを暗示しています。