MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

「風に吹かれて(Blowin' In The Wind)」の意味

2011-08-19 00:14:43 | 洋楽歌詞和訳

BLOWIN' IN THE WIND 吉田拓郎 歌詞情報 - goo 音楽

 ここで書いておきたいことは吉田拓郎ではなくてボブ・ディラン(Bob Dylan)本人の

「風に吹かれて(Blowin' In The Wind)」のことである。今まで最後のフレーズの

「The answer is blowin' in the wind」が個人的に謎のままであった。この場合、

文法的に“正しい”文章は「The wind is blowing」となるはずだからである。では

「風の中で(in the wind)」「吹く(is blowin')」「答え(the answer)」とは何かと

考えてみると、“行動を起こす”ということではないのかと思いついた。自分自身が

動けば必然的に体で空気を切って進むことになり、「風に吹かれる(Blowin' in the

wind)」状態になるからである。

Blowing In The Wind (Live On TV, March 1963)


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『ツリー・オブ・ライフ』 80点

2011-08-19 00:07:59 | goo映画レビュー

ツリー・オブ・ライフ

2011年/アメリカ

ネタバレ

誤解を与えるプロモーション

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 上映が始まって早々に、これはマズいと思った。冒頭でオブライアン家の次男が19歳という若さで亡くなったと母親に電報で知らされた(結局、具体的な死因は最後まで描かれない)後に、画面は突如として生命の誕生から描かれ始めたことから、ここでの「ライフ」とは「人生」ではなくて「生命」だと理解出来たとしても、間もなくして私の後方の席に座っていた観客が「何なのこれ!」と言って席を立ち、私の隣に座っていた観客が「なかなか人が出て来ないね」と呟いて席を立ってしまったからである。彼らの言い分は尤もであって、テレビCMは父親のブラッド・ピットと息子のショーン・ペンの親子の対立が描かれているような印象しか与えないし、映画館に置かれていたチラシには生まれたばかりの息子の小さな足を見つめるブラッド・ピットの顔のアップ、さらには本作はカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しているというのであれば、誰もが‘人間ドラマ’として期待するはずだからである。明らかに日本におけるプロモーションは観客に誤解を与えるもので、テレビCMには本作の前半の映像も含めるべきだったと思う。
 しかし、もう少し我慢すれば人が出てきて1800円無駄にしなくて済みますよと途中で席を立ってしまった観客にアドバイスが出来たとしても、その後の物語がドラマとして面白いかどうかは微妙である。テレンス・マリック監督の演出は、詳細を描くことなく、観客に感情移入させない。それは観客それぞれに解釈を委ねる意図があるとしても、これまでに述べた理由から多くの観客を失望させることは間違いない。本来ならば『ツリー・オブ・ライフ』は単館上映から始めてクチコミで集客数を増やすべきタイプの作品なのであり、このような目先の利益を当て込んだプロモーションが将来の映画興行に良い影響をもたらすことはないだろう。
 もちろん作品自体は悪いものではない。家族で食事の最中に「30分間必要なこと以外話すな」と言われた息子が言い放った「黙っていろ!(Be quiet!)」という冗談が理解できないほど厳格な父親と、正反対にとても寛容な母親との間に挟まれて育ったジャックは、友達とカエルを掴まえてロケット花火に括りつけて飛ばしたり、女性の下着を盗んだり、弟をからかったりする限りを見ているだけでは他の男の子たちと変わらない。そして若くして弟を失うことも珍しいことではないのであるが、ジャックは立派な大人になってからも、観客には詳細には明らかにされない家族に関する何らかの葛藤があって悩んでいるらしい。つまり本作はオブライアン家特有の問題ではなくて、一般的な‘生命’そのものを描いているために、個人的には観客に解釈を委ね過ぎているのではないのかと感じた。私はこの手の作品には慣れているけれども、とても大衆受けするような作品だとは思えないのである。


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