こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!
2011年/日本
物悲しいコメディ
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
恥を忍んで告白するならば、金を出して本作をのこのこと観に行ったのは何を隠そう、私なのであるが、本作を観に行ったことを後悔する要素など余り見当たらなかった理由は、やはり私の映画の見方が根本的におかしいからなのであろう。
勝どき橋を巡る両津勘吉と沢村桃子のやり取りが切なかった。作品の冒頭で勘吉の、「パカッ」と勝どき橋が開くという話を桃子は嘘だと否定し、勘吉に対する幼い恋心を告白できないままに桃子は転校していってしまう。ラストで娘のユイに教えられて桃子は「パカッ」と開いている勝どき橋を目撃し、勘吉の話が事実であることを知る。桃子は勘吉の話が嘘であって欲しかった。固く‘結ばれた’勝どき橋が二つに離れるということは勘吉と桃子の離別の暗喩と捉えたからである。開いた勝どき橋を目の当たりにした時、2人の別れを確信して涙した深田恭子が美しい。
母親の仕事の都合でなかなか友達ができない桃子の娘のユイと、誤認逮捕が原因で家族が崩壊してしまい、その恨みを晴らそうとする横田泰三と、努力が報われないまま年老いてしまい、横田の優しさに触れて横田の計画に乗ってしまう島崎光男の3人の‘孤独’が、勘吉と桃子の叶わぬ恋の話と相まって、本作はコメディでありながらも、物悲しさに包まれる。
物語自体は楽しめると思うのだが、やはりいつものように余計なところに目が行ってしまう。派出所などに掛かっている壁時計の針の進み方が物語の流れと合っていない。以前『ダーリンは外国人』(宇恵和昭監督 2010年)でも指摘したことであり、両作品共にTBSが制作に加わっているのであるが、学習しないという頑なさが作品をダメにしてしまうということくらいは学習した方が良いと思う。問題は時計の針だけでなく、どれほどこだわりを持って作品に取り組んでいるのかという‘指針’にもなるからである。
テロップ問題後、社長2時間連絡取れず 長野でゴルフ(朝日新聞) - goo ニュース
当日ゴルフの社長、帰社「午後6時」に訂正 東海テレビ(朝日新聞) - goo ニュース
海外のことは詳しくないのであるが、日本のテレビは秒刻みの正確さで放送している。
ところで東海テレビの浅野碩也(せきや)という社長は「ぴーかんテレビ」という情報番組で
不謹慎なテロップが流れた8月4日当日は、当初、得意先とゴルフのプレー中で、午後1時
に終わって局に連絡して対応を指示した後、得意先との食事を済ませて午後3時ごろに
ゴルフ場を出発し、午後5時ごろに帰社した、と説明していたのであるが、実際はゴルフ場
出発は午後3時40分ごろ、帰社は午後6時ごろだったらしい。広報担当者は「社長の記憶
があいまいで、確認を怠ったまま答えてしまった。ごまかす意図はなかった」としている。
問題なのは深刻な事態が発生した当日の記憶が曖昧になってしまうような人間が社長を
しているという事実であるのだが、浅野碩也社長は役員報酬50%カット3カ月だけで辞任
はしないらしい。社長が自身に甘いからその下で働く社員たちも自身に甘くなったのである。